第七交響曲

エドゥアルト・リンデンバーグ/北ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団(1969〜70)
CD(apex 0927 49798-2)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
    (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
.   〃    /交響曲第7番イ長調Op92

  エドゥアルト・リンデンバーグ指揮
   北ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団
   録音 1969〜70年

 リンデンバーグの「運命」と第7番です。リンデンバーグはエラートにブラームスの交響曲全集を録音していましたが、ベートーヴェンも録音していました。
 交響曲第5番「運命」は残響の大きいホールの演奏でステレオ効果と奥行き感があります。第1楽章は冒頭の主題が長めのフェルマータで豊かな響きになっています。ホルンのファンファーレはホール一杯に響き渡ります。展開部では弦楽のレガート、管の豊かな響きが交錯しています。再現部のもファンファーレはホルンで吹いています。ティンパニの音がホールに響きすぎるほどです。コーダへの経過部の厚い響きが凄いです。コーダの主題の強調長いフェルマータがあります。間をおいての終結は印象的です。第2楽章はゆったりとした主題がきれいです。また木管が大変きれいに響いています。木管四重奏は大変よく響きます。
 第3楽章はホルンの主題が明るく響きます。フーガは見事な演奏を聴かせます。フィナーレは重厚な響きが素晴らしい。展開部もしっかりと響かせています。第3楽章の回想から再現部は素晴らしい盛り上がりです。コーダの和音の連続、ホルンの主題、ピッコロも良く響きます。プレストからが凄いです。382小節から385小節のヴァイオリンとヴィオラのりズムの刻みもはっきり聞こえています。そして金管の強奏は圧倒的で残響豊かな終結です。
 交響曲第7番は冒頭から厚みのある響きを出しています。ホールによく響きます。提示部はやや速いテンポで演奏しています。勢いのある演奏です。迫力に満ちた演奏で、余韻を生かす休符が多いこの曲では残響の長さが生きています。第2楽章は弦楽の響きがきれいです。対旋律の交錯が聞き所でしょう。第3楽章の勢いある演奏も見事。フィナーレでは冒頭から2拍目の強調が面白いです。舞踏のリズムは素晴らしいです。かなり個性的な演奏といえましょう。


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