第七交響曲

ルドルフ・ケンペ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(1971)
CD(DISKY DB707082)
         
ルドルフ・ケンペ/ベートーヴェン/交響曲全集
CD1
1.交響曲第1番ハ長調Op21
2.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」

CD2
1.交響曲第2番ニ長調Op36
2.交響曲第4番変ロ長調Op60

CD3
1.交響曲第3番変ホ長調Op55「英雄」
2.「プロメテウスの創造物」序曲Op43
3.「エグモント」序曲Op84

CD4
1.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」
2.序曲「レオノーレ」第3番Op72b

CD5
1.交響曲第7番イ長調Op92
2.交響曲第8番ヘ長調Op93

CD6
1.交響曲第9番ニ短調Op125「合唱付」

 ウルスラ・コシュト(ソプラノ)(9番)
 ブリギッテ・ファスベンダー(アルト)(9番)
 ニコライ・ゲッダ(テノール)(9番)
 ドナルド・マッキンタイア(バス)(9番)
 ルドルフ・ケンペ指揮
  ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
  ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団(9番)
  ミュンヘン・モテット合唱団(9番)
   1972年6月23〜26日録音
       (1番、3番、6番&プロメテウス)
   1973年4月16〜19日録音(2番)
   1972年12月15〜20日録音(4番&8番)
   1971年12月20〜23日録音
       (5番&7番、エグモント、レオノーレ)
   1973年5月31日〜6月4日録音(9番) 

 ルドルフ・ケンペはベートーヴェンの交響曲全集をミュンヘン・フィルと録音していましたが、晩年に完成したブラームスの交響曲全集と共に貴重な遺産でした。ケンペはベルリン・フィルと英雄を、チューリヒ・トーンハレと運命を録音していましたが、全集はこれ1つでした。
 交響曲第3番「英雄」のどっしりとした演奏、「運命」の厚みのある演奏はLPで聴いた時にその残響の少なさに驚いた記憶があります。渋いごっつい演奏に感じましたが、改めて聴けば深みのある雄大な演奏であり偉大な演奏といえましょう。
 交響曲第7番のテンポはかなり遅いものでした。第1楽章の序奏だけで5分かかっています。第2楽章のアレグレットの響きは荘重で大変見事です。交響曲第9番は荘厳な響きですすむ第1楽章では展開部のクライマックスでティンパニの強打に圧倒されそうです。第2楽章の緊張感あふれる演奏、弦楽のきれいな第3楽章、そしてマッキンタイアの「オー・フロイデ」に感動します。
 交響曲第5番「運命」ですが第1番のあとで録音レベルの高い音が出てきてびっくりでした。ベースの厚みのある音までしっかり出ています。ホルンのファンファーレも明るく、極めてドイツ的なベートーヴェンの響きがあります。再現部のファゴットのファンファーレはファゴットが吹いています。第2楽章はゆったりとしたテンポで丁寧に歌っています。第3楽章は少し遅めのテンポで進みます。フーガは低弦の厚みのある音が印象的です。フィナーレのテンポはやや速めで重厚な響きを出しています。展開部の演奏も見事で第3楽章の回帰では弱奏から一気に再現部に突入します。再現部の響きもよく、コーダへかけての盛り上がりは素晴らしいものです。和音の残響もきれいで、ホルンの主題から終結まで息をもつけない圧倒的な演奏になっています。


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