第七交響曲

ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/ロンドン交響楽団(1989)
CD(Collins SC0003)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   7:55/11:43/5:57/10:52
   (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)
2.  〃   /交響曲第7番イ長調Op92

  ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮
   ロンドン交響楽団
    録音 1990年10月8&9日(1)
       1989年10月(2)

 ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスがロンドン交響楽団と録音したベートーヴェンの2つの交響曲です。ブルゴスは2013年にデンマーク国立交響楽団と全集を録音しています。
 交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭の重厚な響き、ホルンのファンファーレも素晴らしい響きです。展開部の流れも素晴らしく、管楽器と弦のバランスの良さがあります。オーボエのカデンツァもきれいです。再現部ではファゴットのファンファーレを原典版のとおり吹いています。コーダまでの迫力は素晴らしいものです。コーダはインテンポで終わっています。第2楽章は程よいテンポで主題を表情豊かに歌っています。木管は大変良い響きを出しています。低弦の響きも厚いです。第1変奏の美しい響き、そしてフルートの響きが大変きれいです。第2変奏の美しい響き、ファゴットとクラリネットの美しさ、全合奏の厚い響きがあります。木管四重奏の美しさは素晴らしいものです。全合奏のあとに続く第3変奏の木管の良い響き、そして全合奏の厚い響きも聴きもの。コーダの演奏は見事です。第3楽章の序奏はやや遅めのテンポで演奏する弦楽に続くホルンの主題が明るくよい響きです。フーガの演奏は弦楽の見事な演奏が聴かれます。後半の弱奏からフィナーレまでは緊張感があります。フィナーレの冒頭は堂々とした重厚な演奏です。ホルンの厚い響きも素晴らしいものです。提示部のリピートがあります。展開部では管楽器の響きもよく、弦楽とのバランスの良さ、トロンボーンもよく響くきれいな演奏です。第3楽章の回想ではオーボエの美しさもあります。再現部も重厚な演奏です。コーダの和音とホルンの主題は実にきれいです。ピッコロの響きもまたきれいです。プレストからは圧倒的な演奏でした。最後のフェルマータの長さと、ティンパニの二度打ちが素晴しい、見事な演奏です。
 交響曲第7番は第1楽章序奏の重厚な響きとホルンのやわらかな響きがきれいです。弦楽の上昇フレーズの連続は聴きものです。刻みのあざやかなこと、管楽器の美しさがあります。ティンパニもよく響きます。提示部のフルートもきれいです。全合奏におけるホルンの素晴らしい響きは聴きものです。提示部のリピートがあります。展開部の弦楽の厚みのある響き、管楽器の響きの良さ、再現部では迫力のある演奏が聴かれます。コーダの低弦のフレーズの響きの素晴らしさ、ティンパニの迫力とホルンのハイトーンも聴きものです。第2楽章の「アレグレット」は弦楽の響きのよさ、対旋律の美しさがあります。管楽器が加わると感動的な響きになります。ホルンのソロもきれいです。中間部の管楽器の演奏は素晴らしいです。コーダもきれいに終わります。第3楽章の「プレスト」は軽快な演奏で勢いのある演奏です。管楽器は大活躍です。トリオはホルンとフルートがきれいに響きます。これは素晴らしい演奏です。第2トリオもきれいな演奏です。ティンパニもよく響きます。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」は快速なテンポで重厚な響きが聴かれます。ホルンのハイトーンも大変よく響きます。緻密な演奏が続きます。展開部から再現部の迫力ある演奏、ブルゴスの演奏は見事なものです。コーダの金管の迫力は絶品です。これも名演奏です。


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