第七交響曲

朝比奈 隆/新日本フィルハーモニー交響楽団(1998)
CD(fontec FOCD9793)

ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調Op92

  朝比奈 隆指揮
   新日本フィルハーモニー交響楽団  
  録音 1998年3月16日
  サントリーホール・ライヴ

 朝比奈/新日本フィルのベートーヴェン/交響曲全集(2度目)の1枚です。
 交響曲第7番イ長調は第1楽章の冒頭ズシンとくる和音、ゆったりとしたテンポの序奏で始まります。そして弦楽の上昇音階の豊かな響き、この長大な序奏こそが第7番の聴きどころです。実に重厚な演奏です。提示部のフルートそして主題の全合奏の迫力が素晴らしい。ホルンがよく響きます。内声部の音もよく聞こえます。提示部のリピートがあります。厚い響きの演奏です。展開部は管楽器と弦楽器の交互の強奏、そして音の渦が続きます。このテンポならではの凄さがあります。再現部も素晴らしい響き、コーダでは低弦のフレーズの繰り返しが迫力あります。そしてホルンが高らかに響きます。
 第2楽章のアレグレットはイ短調で哀愁的な主題が楽器を変えながら歌い継がれます。この主題と対旋律が重なって素晴らしい音楽が形成されます。朝比奈の指揮は重厚な響きを出しています。管楽器が主題を吹くと盛り上がります。木管が第2主題を吹くとホルンが応えるところが大変美しい。このアレグレットは素晴らしい演奏です。
 第3楽章はスケルツォ、厚い響きで整然と演奏しています。管楽器のうまさオーケストラのバランスの良さが素晴らしい。リピートがあります。トリオの木管とホルンの歌う主題もきれいです。ゆったりとした演奏です。第2ホルンのフレーズとテンポアップが聴きどころです。このトリオの全合奏は迫力があります。ゾクッときます。その繰り返しです。
 フィナーレは迫力ある演奏が素晴らしい。ホルンの響きも圧巻です。提示部のリピートがあります。展開部の勢いのある演奏、厚みのある響き、ティンパニの活躍、弦楽の整然とした響き、見事です。再現部は益々緊張感が高まります。コーダは圧倒されます。これぞ第七です。感動で思わず拍手。聴衆も大騒ぎでした。まさに名演奏です。


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