第七交響曲

ダニエル・バレンボイム/ベルリン・シュターツカペレ(1999)

CD1(WARNER CLASSICS 0190295824600)全集
CD2(TELDEC WPCS-10463/8)全集

ベートーヴェン/交響曲全集
CD1
1.交響曲第1番ハ長調 Op21
2.交響曲第2番ニ長調 Op.36
CD2
3.交響曲第3番変ホ長調 Op55「英雄」
CD3
4.交響曲第4番変ロ長調Op60
5.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
 (第1楽章&第4楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD4
6.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」
CD5
7.交響曲第7番イ長調Op92
8.交響曲第8番ヘ長調Op93
CD6
9.交響曲第9番ニ短調 Op125「合唱」 

 ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)(9)
 ローズマリー・ラング(メゾ・ソプラノ)(9)
 ロバート・ギャンビル(テノール)(9)
 ルネ・パーペ(バス)(9)
 ダニエル・バレンボイム指揮
  ベルリン・シュターツカペレ(1〜9)
  ベルリン国立歌劇場合唱団(9)
  録音 1999年5月〜7月

 ダニエル・バレンボイムとベルリン・シュターツカペレによるベートーヴェンの交響曲全集です。CD1の全集は2017年発売のEU盤。CD2の全集は2000年発売の国内盤です。
 交響曲第1番は第1楽章の序奏はゆったりとした演奏で重厚さを感じさせる見事な演奏です。主部では速めのテンポでの演奏をしています。バレンボイムはこのテンポが適正として指揮しているようです。このテンポでリズム感よくなおもレガートのきれいな演奏をしているなどオーケストラのうまさが際立つ素晴らしい演奏です。第2楽章のアンダンテ・カンタービレは弦楽の美しい響きに始まります。そいて管楽器が入ってきれいな響きになります。このカンタービレは感動的な歌い方にしびれます。素晴らしい演奏です。第3楽章はアレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェで勢いのある演奏です。ティンパニも良い響きです。トリオは落ち着いた美しい響きの演奏で、このメリハリを付けた演奏は素晴らしいです。第4楽章は序奏の圧倒的な冒頭と静寂が見事で、主部のアレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェは速いテンポで迫力があります。オーケストラの厚い響き、ティンパニの活躍は見事な演奏です。コーダも素晴らしいです。これは名演です。

 交響曲第2番は第1楽章の序奏では圧倒的な響きで気迫に満ちた演奏が素晴らしいです。主部のアレグロ・コン・ブリオは勢いのある演奏で、ティンパニの活躍、オーケストラの統率されたアンサンブルも見事なものです。緊張感もあります。展開部から再現部へと圧倒的な響きが素晴らしいです。ホルンの響きもきれいです。見事な演奏です。第2楽章のラルゲットは冒頭から弦楽の美しい歌があります。木管が続きます。これは美しい演奏です。ベートーヴェンの美しい音楽を感じます。弦楽の爽やかな響きも美しいです。ホルンもきれいに響きます。第3楽章のスケルツォは圧倒的な響きと管楽器の応答の美しいこと、作品の華やかさを感じさせてくれます。トリオの木管は大変きれいな演奏です。緊張感のある見事な演奏です。第4楽章はアレグロ・モルトでぐいぐい進むオーケストラは見事な演奏です。木管の響きも大変きれいです。展開部のきれいな演奏、再現部の華やかな響きと緊張感は、聴くほどにこの演奏には耳を奪われます。ティンパニも良い響きです。これは名演です。

 交響曲第3番「英雄」は第1楽章のアレグロ・コン・ブリオは重厚な和音と共に始まります。ホルンの主題もきれいです。全合奏の厚い響きも素晴らしいです。木管の響きもきれいです。提示部のリピートがあります。展開部の木管やホルンの美しい響き、ティンパニも良い響きです。再現部でもホルンの美しい響きが素晴らしいです。コーダの木管とホルンの素晴らしい響きは聴きものです。第2楽章の「葬送行進曲」は弦楽の美しい響きに始まります。オーボエとの対話が素晴らしいです。木管楽器の響きの良さ、全合奏の盛りあがり、そして展開部における金管の響きの良さ、ティンパニの迫力ある響き、弦楽の切れの良さ、何とも言えません。後半の圧倒的な響きも素晴らしいです。コーダの重厚な響きも素晴らしいです。第3楽章のスケルツォは良いテンポで、木管がきれいな響きです。迫力もあります。トリオのホルン三重奏が大変良い演奏です。この楽章は見事な演奏です。終結も圧倒的な響きです。フィナーレは冒頭の響きが素晴らしい。主題と変奏は弦楽の演奏がきれいです。プロメテウスの創造物の主題がオーボエで演奏されると全合奏になります。大変良い響きです。中間部の響きの良さは抜群です。コーダ前のアダージョの美しさとホルンの厚い響きは素晴らしいです。コーダもホルンとティンパニの素晴らしい響きは見事なものです。

 交響曲第4番は第1楽章の序奏で冒頭から美しい響きを出しています。そして提示部の主題は素晴らしい歌い方をしています。テンポはやや速めに感じますが滑らかな演奏です。管楽器や弦楽の響きは素晴らしいものです。展開部から再現部の響きは素晴らしいです。コーダの弦楽の厚い響き、終結も素晴らしい響きです。第2楽章のアダージョはよいテンポで強弱のメリハリを付けた演奏です。管楽器の響きもきれいです。後半も弦楽の響きの良さと、ホルンの響きもきれいです。終結もきれいです。第3楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェは弦楽と管楽器の対話のように聞こえます。トリオも同じです。弦の響きがきれいです。程よいテンポで強弱の付け方が素晴らしいです。クレッシェンドがきれいです。第4楽章のアレグロ・マ・ノン・トロッポは弦楽の刻みが見事な演奏です。オーボエとフルートの響きはこれが大変きれいです。この楽章も厚い響きが見事なものです。強弱の付け方が凄いです。コーダの演奏は素晴らしいです。思わず拍手でした。

 交響曲第5番「運命」の第1楽章は良いテンポで、フェルマータはたっぷり伸ばしています。厚い響きは感動ものです。ホルンのファンファーレは大変良い響きです。提示部の第2主題はきれいに響きます。展開部でも冒頭のフェルマータは長いです。弦楽の響きの良さ、管楽器との対話もきれいです。ホルンの響きも大変きれいです。オーボエのカデンツァも大変きれいです。再現部のファンファーレはファゴットにホルンが重なっています。それにしても素晴らしい演奏です。コーダまでの圧倒的な演奏、コーダ前のフェルマータも大変長いです。感動的な演奏です。第2楽章のアンダンテ・コン・モトはやや遅めのテンポで演奏しています。木管は大変良い響きを出しています。厚い響きの素晴らしさがあります。ティンパニも良い響きです。第1変奏の美しい響き、そしてフルートの響きがきれいです。第2変奏の盛りあがりの美しさ、ファゴットとクラリネットのきれいな響き、そして木管四重奏の美しさは素晴らしいです。次のクライマックスも圧倒的な響きです。ティンパニのクレッシェンドが凄いです。第3変奏の木管の良い響き、続く厚い響きも聴きものです。第4変奏のファゴットがよい響きです。そしてコーダまでの全合奏が素晴らしい響きです。終結の緊張感は素晴らしいです。第3楽章は序奏のリタルダンドとフェルマータの長さも聴きもの。ホルンの主題は迫力のある良い響きです。フーガにおける弦楽の厚みのある演奏は素晴しい響きです。低弦もよい響きで、フィナーレまでの経過部の緊張感も素晴らしいです。フィナーレは冒頭から重厚な響きが聴かれます。ホルンの響きも厚みがあります。提示部のリピートがあります。展開部もよい響きです。トロンボーンが良い響きです。ティンパニも良い響きを出しています。第3楽章の回帰はクラリネットとオーボエのきれいな響きがあります。再現部は厚みのある演奏、そして圧倒的な響きが聴かれます。コーダは和音のあとのホルンの主題とピッコロの明るい響きがきれいです。プレストからの迫力は見事です。最後の和音はフェルマータをしっかり伸ばしています。ティンパニも良い響きです。これは素晴らしい演奏です。

 交響曲第6番「田園」は第1楽章の冒頭は程よいテンポで静かに始まり、オーボエの主題と共に全合奏になります。ホルン以外の金管と打楽器の入らないこの楽章はきれいな響きになります。提示部のリピートがありますので再び楽しむことができます。きれいな演奏です。展開部は弦楽と木管によるフレーズの繰り返しがきれいです。弦楽と管楽器とのバランスも良く、美しい田園です。再現部からコーダは絶品の演奏です。ホルンやクラリネットが良い響きです。最後はゆったりと終わります。第2楽章の「小川のほとりの情景」は小川の流れを感じさせる弦楽の動きがきれいな響きです。木管による主題も良い響きです。ファゴットの第2主題が小川の流れの良さを感じさせます。木管楽器の美しい音色が素晴らしいです。フルートの美しい響きは絶品です。コーダのフルート、オーボエ、クラリネットの小鳥の鳴き声はきれいです。大変素晴らしい演奏です。第3楽章のアレグロは快適なテンポの演奏です。ホルンの強い音がきれいです。オーボエ、クラリネット、ホルンと続くソロは素晴らしい演奏です。ホルンがきれいな響きです。リピートがありますので再度楽しめます。第4楽章の「嵐」は嵐の前の静けさから一気に嵐の大雨になる様子、ティンパニによる雷鳴と生々しい響きがあります。また大雨がきて、雲が流れていく様子など素晴らしい表現力で迫力があります。コーダの遠雷の表現が素晴らしいです。オーボエがきれいです。第5楽章の「嵐のあとの感謝の気持ち」はクラリネットに続いてホルンの楽しそうな歌で感じられます。滑らかなホルンです。そして「牧人の歌」は喜びにあふれています。小鳥の鳴き声や角笛の音が響く素晴らしい「田園」です。変奏曲もきれいな演奏です。コーダの演奏は感動的です。ホルンもきれいな響きです。名演です。

 交響曲第7番は第1楽章序奏はゆったりと始まります。重厚な響きとオーボエやホルンのやわらかな響きがきれいです。弦楽の上昇フレーズの連続はテンポアップで聴きものです。刻みのあざやかなこと、管楽器の美しさがあります。ティンパニも良い響きです。提示部のフルートも大変きれいです。全合奏におけるホルンの素晴らしい響きは聴きものです。提示部のリピートがあります。展開部の弦楽の厚みのある響き、管楽器の響きの良さは素晴らしいものです。再現部では迫力のある演奏が聴かれます。コーダの低弦のフレーズの響きの素晴らしさ、ホルンのハイトーンも聴きものです。第2楽章の「アレグレット」は弦楽の響きのよさ、対旋律の美しさがあります。バレンボイムの指揮は素晴らしいものです。弦楽の美しさは絶品です。管楽器が加わると感動的な全合奏になります。低弦の鮮やかな響きも素晴らしいです。ホルンのソロもきれいです。中間部の管楽器の演奏は素晴らしいです。コーダの感動的な響きもあります。最後は伸ばしてきれいに終わります。第3楽章の「プレスト」は軽快な演奏で勢いのある演奏です。管楽器は大活躍です。トリオはやや遅めのテンポでクラリネットとホルンがきれいに響きます。これは素晴らしい演奏です。全合奏も凄いです。第2トリオもまた感動的な演奏です。コーダは見事な終わり方でした。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」は快速なテンポで重厚な響きが聴かれます。ホルンのハイトーンもきれいです。勢いのある演奏です。弦楽の厚みのある響きも素晴らしいです。ティンパニも良い響きです。展開部から再現部の素晴らしい演奏はバレンボイムらしいです。コーダの迫力は凄いです。ティンパニは大活躍です。これには思わず喝采の拍手でした。凄いです。

 交響曲第8番は第1楽章の弦楽の華麗な響きが聴きものです。主題の美しい響きと歌い方もきれいなものです。木管のユニゾーンもきれいです。提示部のリピートがあります。展開部から再現部の厚い響きには圧倒されます。木管楽器の美しい響きも聴きものです。コーダは感動ものでした。第2楽章のスケルツァンドはメトロノームのようなリズムを刻むのが特徴です。快適なテンポで演奏しています。弦楽の緻密な演奏は素晴らしいものです。第3楽章のメヌエットは大変良い響きでファゴットの響きもきれいです。トランペットとホルンも良い響きです。トリオのホルンの二重奏の流麗な演奏とクラリネットの響きの美しさは大変素晴らしいです。このメヌエットの聴きどころです。第4楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェは速いテンポで弦楽の刻みの素晴らしい響きと、管楽器の厚い響きが素晴らしい演奏です。中間部の圧倒的な演奏は見事なものです。コーダも素晴らしいです。この第8番も感動的で大変な名演奏です。

 交響曲第9番「合唱」 は第1楽章の冒頭から緊張感のある演奏です。ティンパニの強打は強烈です。全合奏の厚い響きは素晴らしいです。木管と弦楽の掛け合いもきれいです。展開部の全合奏はティンパニのクレッシェンドが凄いです。再現部は木管やホルンの響きもきれいです。コーダのホルンソロは良い演奏です。ティンパニも良い響きです。第2楽章のスケルツォは強弱がはっきりしたものです。ティンパニも凄い響きです。勢いのある演奏で管楽器の素晴らしい響きがあります。トリオはオーボエに続くホルンのソロは響きがきれいです。リピートがあります。見事な演奏です。第3楽章のアダージョ・モルト・エ・カンタービレは美しいカンタービレをゆったりと歌い始めます。管楽器もレガートで流麗な演奏です。遅いテンポで弦楽が大変きれいに歌います。続くクラリネットと第4ホルンのソロは大変素晴らしい響きです。ゆったりとした演奏です。弦のピツィカートも大変きれいです。コーダの劇的な響きが感動的で素晴らしいです。第4楽章のプレストは序奏の弦楽の厚みが素晴らしい響きです。弦楽の主題が始まるとファゴットの対旋律が大変きれいに響きます。全合奏になると見事な演奏です。合唱が始まると、バリトンの朗々とした歌声が響きます。フロイデの歌声が印象的です。男女混合合唱からは素晴らしい四重唱と合唱が響きます。フェルマータの長いことには圧倒されます。オーケストラは緻密な演奏でこの重要な楽章を素晴らしいものにしています。テノールと男声合唱から始まるところからは神聖な響きに聞こえてきます。後半の全合唱も素晴らしい響きです。コーダの合唱から結尾までの素晴らしい演奏は興奮させられます。四重唱も見事な演奏です。最後は速いテンポで、終わってみると感動の演奏でした。


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