アントン・ライヒャのホルン作品

ホルンと管弦楽のための序奏とロンド/サラ・ウィリス(2001)
CD(ORFEO C170 021A)

ライヒャ/協奏曲集
1.クラリネット協奏曲ト短調(1815)
2.ホルンと管弦楽のための序奏とロンド ヘ長調
3.クラリネットのための序奏と変奏曲変ロ長調
    (ディッタースドルフの主題による)
4.ファゴットのための主題と変奏曲ト長調

  ディーター・クレッカー(クラリネット)(1&3)
  サラ・ウィリス(ホルン)(2)
  カール=オットー・ハルトマン(ファゴット)(4)
  ミラン・ライチーク指揮
   プラハ室内管弦楽団
   録音 2001年4月4〜8日
   プラハ/ドモヴィナ・スタジオ

 アントン・ライヒャ(1770〜1836)の管楽器のための協奏曲集です。
 「クラリネット協奏曲ト短調」は1815年に書かれています。3つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ」は厚みのあるオーケストラに支えられてクラリネットが明るく歌います。クレッカーのクラリネットが縦横に活躍します。短いカデンツァがあります。第2楽章「アンダンテ」はクラリネットに始まって穏やかなテンポの美しい主題が流れます。やがて細やかなクラリネットの主題が縦横に歌われます。そして穏やかな主題と細やかな主題が交互に歌われます。コーダ前のカデンツァは長大で素晴らしい演奏です。第3楽章のロンドはアレグレット、ホルンに始まってクラリネットの主題が歌われます。やがてロンドの軽やかな演奏になります。後半に穏やかなテンポの部分があります。クレッカーのクラリネットは素晴らしい演奏です。
 「ホルンと管弦楽のための序奏とロンド」は1820年に書かれています。サラ・ウィリスのホルン独奏で演奏されます。この作品はケルビーニのホルン・ソナタを手本にしたそうです。序奏は明るい響きのホルンに始まって、短いカデンツァのあとに続くロンドはモーツァルトのように楽しい主題が続きます。サラ・ウィリスのホルンが鮮やかに響きます。録音の少ない作品ですが、大変素晴らしい作品ですから、もっと多く演奏されてもいいと思います。サラ・ウィリスのホルンは大変素晴らしい演奏です。
 「クラリネットのための序奏と変奏曲(ディッタースドルフの主題による)」は序奏の穏やかな主題の提示があって、クラリネットがそれを受け継いで、変奏曲になっていきます。華やかな変奏曲でオーケストラもよい響きを出しています。クレッカーの名演奏が聴かれます。
 「ファゴットのための主題と変奏曲」はハルトマンのファゴットで演奏されます。主題はレントで演奏されます。そしてアレグレット〜アダージョ〜アレグロ・スケルツァンドと変奏曲が演奏されます。アレグレットのファゴットは楽しそうです。アダージョは優雅に歌います。カデンツァ風のソロのあとにアレグロ・スケルツァンドの華やかな変奏曲が演奏されます。これも素晴らしい演奏です。


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