1980〜1999年の演奏

円光寺雅彦/相愛オーケストラ(1999)
CD(Victor NCS-181)

1.武満徹/弦楽のためのレクイエム
2.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
      (第1楽章リピート:原典版)
3.リスト/交響詩第3番「レ・プレリュード(前奏曲)」

  円光寺雅彦指揮(1&2)
  酒井 睦雄指揮(3)
   相愛オーケストラ
   録音 1999年9月3日 
   ザ・シンフォニーホール・ライヴ

 相愛オーケストラは大阪の相愛学園の学生オーケストラです。
 武満徹の「弦楽のためのレクイエム」は武満初のオーケストラ作品でストラヴィンスキーが賞賛した作品です。弦楽合奏が瞑想するような作品です。9分ほどの小品ですが密度の濃い作品です。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭から厚みのある音を聞かせています。やや遅めのテンポでレガート奏法による流れるような演奏は好印象を受けます。展開部は弦楽と管楽器のバランスがよく良い響きです。原典版による演奏です。再現部も良い響きを出しています。ホルンは4人とも女性のようですが良い音です。第2楽章も見事な演奏です。やや遅めのテンポで主題を歌っています。弦と管のバランスがよく良い響きです。木管四重奏もきれいでした。第3楽章は遅めのテンポで序奏が演奏されホルンの主題が力強く朗々と響きます。フィナーレの重厚な響きは素晴らしいものです。ホルンの主題も良い響きです。展開部も管楽器の見事な演奏が聞かれます。再現部も抜群の響きになっています。コーダのホルンも良い響きです。終結までの圧倒的な響きは聞きものです。
 リストの交響詩「レ・プレリュード」は大管弦楽の作品でその迫力は素晴らしいものです。管と弦の素晴らしい響きがあります。この曲ではホルンが重要ですが大変良い音のホルンです。嵐のあとのホルン・ソロがまたいいですね。後半の演奏も素晴らしく学生オーケストラの演奏とは思えないです。


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