モーツァルト/ホルン五重奏曲

ニール・ペイジ(2018)

CD(NovAntiqua Records NA90)

そよ風に吹かれて
モーツァルト/室内楽作品集
1.ホルン五重奏曲変ホ長調 K.407/386C
2.オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370/368B
3.ファゴットと通奏低音のためのソナタ
            変ロ長調K.292/196C
 (2本のファゴットと2本のバセットホルン版)
         (セルジオ・アッツォリーニ編)
4.フルート四重奏曲第1番ニ長調 K.285

アンサンブル・ミッドヴェスト
 セルジオ・アッツォリーニ(ファゴット)(1〜3)
 ニール・ペイジ(ホルン)(1)
 カロリナ・ヴェルトロフスカ(ヴァイオリン)(1&4)
 サンナ・リパッティ(ヴィオラ)(1、2&4)
 マシュー・ジョーンズ(ヴィオラ)(1)
      〃   (ヴァイオリン)(2)
 ジョナサン・スラート(チェロ)(1&4)
 ペーター・キルシュタイン(オーボエ)(2)
 シャーロット・ノーホルト(フルート)(4)
 ヤヴォル・ペトコフ(ファゴット)(3)
 トンマーゾ・ロンキッチ(バセットホルン)(3)
 アルジャズ・ベグス(バセットホルン)(3)
  録音 2018年3月20〜22日
     デンマーク

 イタリアのファゴット奏者セルジオ・アッツォリーニがデンマークのアンサンベル・ミッドヴェストと共にモーツァルトの音楽に新しい風を吹かせている録音です。
 ホルン五重奏曲変ホ長調はオリジナルの五重奏にファゴットが通奏低音に入る編成です。第1楽章のアレグロはニール・ペイジのホルンが明るい響きでレガート、タンギングもきれいな演奏です。ただ弦楽が若干弱めでファゴットがよく響く風変わりな演奏です。展開部はホルンとファゴットがデュオみたいなところもあります。再現部のホルンはきれいな演奏です。第2楽章のアンダンテは弦楽とファゴットがよく響くと、ホルンのソロが始まります。ホルンの響きはきれいですが、ファゴットが重なると響きも変わります。ここではヴァイオリンのきれいな響きも聴かれます。後半のホルンは良い響きです。第3楽章のロンドの演奏もきれいな響きです。ファゴットがよく響きます。ホルンは素晴らしい響きです。コーダ前に短いカデンツァが入ります。これは風変わりですが大変よい演奏です。

 オーボエ四重奏曲ヘ長調はオーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラとファゴットの編成でチェロは入りません。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」とペーター・キルシュタインの美しいオーボエが聴かれます。チェロのパートをファゴットが演奏するようで厚い響きですが、これもきれいな演奏です。第1楽章のオーボエのきれいな響きも素晴らしいです。第2楽章は冒頭からファゴットがよく響きます、すぐにオーボエがきれいに歌います。オーボエとファゴットのデュオのように聞こえるところもあります。第3楽章のロンドはきれいな演奏です。ファゴットの響きも素晴らしいです。新しい曲を聴いているかのような見事な演奏です。
 ファゴットと通奏低音のためのソナタ変ロ長調はセルジオ・アッツォリーニが2本のファゴットと2本のバセットホルンのために編曲したものです。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」になります。第1楽章はファゴットのデュオに始まります。2つのバセットホルンは主に低音を演奏していますので、ファゴットの響きがきれいです。第2楽章も同様にきれいな演奏です。第3楽章はきれいなファゴットのデュオです。2つのバセットホルンも良い響きです。これはきれいな演奏です。
 フルート四重奏曲第1番ニ長調はオリジナルの編成でフルートと弦楽三重奏です。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」とシャーロット・ノーホルトのフルート演奏です。モーツァルトのフルート四重奏曲の第1番ですから、聴きやすい美しいメロディです。第1楽章からフルートと弦楽の美しい響きが聴かれます。第2楽章は弦のピツィカートにのってきれいなフルートが歌われます。第3楽章はきれいなロンドです。フルートと弦楽が大変きれいな演奏です。ヴァイオリンもきれいに響きます。これは素晴らしい演奏です。


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