アントン・ライヒャのホルン作品

木管五重奏曲ホ短調/向なつき(2021)

CD(M Classics MYCL-00007)

ポワンティエ
1.イベール/3つの小品
2.リゲティ/6つのバガテル
3.ライヒャ/木管五重奏曲ホ短調 Op.88-1
4.ツェムリンスキー/ユモレスク(ロンド)
5.タファネル/木管五重奏曲ト短調

 クインテット・ポワンティエ
 世良法之(フルート)
 熊澤杏実(オーボエ)
 芹澤美帆(クラリネット)
 野村和代(ファゴット)
 向なつき(ホルン)
 録音 2021年4月21〜23日
  東京、トッパンホール

 クインテット・ポワンティエは愛知室内オーケストラのメンバーで構成されています。
 ジャック・イベール(1890〜1962)の「3つの小品」は1930年の作品。木管五重奏の名作です。第1曲「アレグロ」はフルートやオーボエが賑やかに楽しそうに歌います。ホルンも良い響きです。クラリネットやファゴットも良い響きです。向なつきのホルンは素晴らしい響きです。第2曲「アンダンテ」はフルート、クラリネットが穏やかに歌い始めます。良い響きです。後半にはオーボエやファゴットも良い響きです。第3曲「アッセ・レント/アレグロ・スケルツァンド」となっています。ホルンがきれいな響きです。クラリネットが楽しそうに歌います。ファゴットも良い響きです。そしてフルートやオーボエがきれいな響きで、素晴らしい演奏です。
 ジェルジ・リゲティ(1923〜2006)の「6つのバガテル」は木管五重奏のための作品で1953年の作。第1曲はフルートが華やかに始まります。この主題は各楽器も演奏します。凄いです。第2曲はオーボエがきれいに歌います。ファゴットも歌います。そしてホルンも入ります。楽しそうな演奏です。第3曲はフルートがきれいに歌います。クラリネットやファゴットも良い響きです。やがてホルンもきれいに歌います。第4曲はきれいな不協和音に始まります。速いテンポで各楽器がきれいに歌います。第5曲はアダージョで低音にのってフルートがきれいに歌います。やがてホルンもファゴットも華やかに歌います。不協和音でも良い響きです。第6曲はモルト・ヴィヴァーチェで、カプリチオーソです。ファゴットやホルンも良い響きです。フルートやオーボエがきれいに響きます。演奏は見事です。
 アントン・ライヒャ(1770-1836)の「木管五重奏曲ホ短調」は4つの楽章で構成されています。第1楽章は序奏のアンダンテからアレグロ・マ・ノン・トロッポになります。ホルンやファゴットの響きが印象的です。この楽章ではフルートやオーボエの明るい音色がよく響きます。クラリネットやホルンもきれいな演奏です。第2楽章のアンダンテ・ポコ・アレグレットは木管とホルンがきれいに響きます。やがてクラリネットとファゴットのきれいな響きが聴かれ、、フルートとオーボエもきれいに歌います。ホルンのきれいな響きも聴かれます。五重奏の美しい響きが素晴らしいです。第3楽章のメヌエットは、フルートの主題がきれいです。やがてクラリネットやホルンが応答します。フルートが歌うと明るい響きになります。ホルンのソロもきれいです。ファゴットも良い響きです。第4楽章のアレグロはフルートがきれいに歌います。やがてファゴットやホルンもきれいに歌います。ホルンのきれいなソロが素晴らしい響きです。クラリネットやオーボエも良い響きです。見事な演奏です。
 アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー(1871〜1942)の「木管五重奏のためのユモレスク(ロンド)」はファゴットに始まり、すぐに4つの楽器が入ります。クラリネットやオーボエの良い響き、ホルンのきれいな響きも見事です。フルートもきれいに歌います。全合奏の素晴らしい響きもあります。見事な演奏です。
 ポール・タファネル(1844〜1908)はフランスの作曲家でフルート奏者でした。木管五重奏曲は木管アンサンブルに愛されている作品です。3つの楽章で構成されています。第1楽章のアレグロ・コン・モトはクラリネットとファゴットのユニゾーンに始まります。すぐにオーボエや他の楽器も加わります。大変バランスの良い作品でフルートやオーボエの活躍は当然ながら、ファゴットやホルンの響きも大変きれいな演奏です。第2楽章のアンダンテはホルンがきれいに歌います。全体の和音が美しい響きです。やがてオーボエがきれいに歌います。クラリネットやフルートも良い響きです。中間部ではホルンやファゴットの響きが素晴らしいです。後半も素晴らしい演奏です。第3楽章のヴィヴァーチェは全体が勢いのある演奏で素晴らしいものです。中間部ではホルンやフルート、ファゴットの響きが素晴らしいです。この演奏はクインテット・ポワンティエの優秀なテクニックが光るものです。素晴らしい演奏です。


トップへ
戻る
前へ