1960〜1979年の演奏


フェレンツ・フリッチャイ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団



CD1(DGG POCG6033)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  9:05/13:11/6:23/9:25
   (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD2(DGG POCG3074)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  9:05/13:11/6:23/9:25
   (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD3(DGG PROC-1263/6)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  9:10/13:19/6:26/9:30
   (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

LP1(ヘリオドール SMH2009)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  7:50/10:38/13:32
   (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
LP2(独ヘリオドール2548028) 
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   9:04/13:15/15:24
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

  フェレンツ・フリッチャイ指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1961年9月25&26日

 フリッチャイの「運命」は全曲で37分43秒という大変遅い演奏で有名でした。他にもクレンペラーは39分を超えていますが第4楽章をリピートしていますので、第1楽章のリピートだけでは大変遅い演奏です。アナログ時代の記念すべき演奏です。
 ところでLP1ですが、私の持っているLPはエラーレコードです。運命とエグモントのカップリングですが、運命だけマゼール/ベルリン・フィルの演奏が収録されています。なぜわかったかと申しますと同じシリーズにマゼ―ルもあって両方持っていたのですが、たまたま同じ演奏時間だったのでよく聴いたらまったく同じ演奏だったのです。グラモフォンに問い合わせたところ回収もれだったそうで、廃盤のためわざわざドイツ盤を取り寄せてくれました。なおそのレコードは売却したのでテープしか残っていません。CD3は2013年発売の4枚セットですが、少し演奏時間が伸びています。

 交響曲第5番は第1楽章から遅いテンポですが、ベルリン・フィルを十分に鳴らしきっており見事な演奏です。ホルンのファンファーレは大きく響いて気持ちいいです。こうありたいものです。展開部も見事で、コッホのオーボエカデンツァは美しくしっとり聞かせてくれます。
 第2楽章は透明感豊かな弦が美しい主題を聞かせてくれます。そして名人ツェラーやコッホの音が聞こえるともう何もいえません。第3変奏の木管の合いの手がとても美しいです。遅いテンポなので木管四重奏はゆったりと歌ってくれました。美しい楽章でした。
 第3楽章も遅いですが、ホルンの主題は良い響きです。トリオのフーガはさすがベルリン・フィルの弦は凄いです。フィナーレ前のppは見事で、クレッシェンドしてからのティンパニのリタルダンドが印象的でした。フィナーレは見事な響きで音量が豊かです。迫力満点で、さすがフリッチャイはいいですね。第3楽章の回想も一味違います。再現部からコーダの力強い演奏はとても感動的でした。遅くても納得の名演奏です。


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