1960〜1979年の演奏


エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(1962)
D-R(KAPELLMEISTER KMH-1022)アメリカ盤 

1.ブラームス/ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op83
2.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
      (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

  ウィルヘルム・バックハウス(ピアノ)(1)
  エルネスト・アンセルメ指揮
   スイス・ロマンド管弦楽団
  録音 1962年10月10日ライヴ
      (モノラル録音)

 アンセルメの貴重なライヴ録音です。この録音はモノラルですが音質は良いほうです。名ピアニスト、バックハウスはドイツ生まれですがスイスに帰化していますのでアンセルメとの共演は珍しくなかったでしょう。
 ブラームスのピアノ協奏曲第2番はウィーン・フィルとの2つの録音やカラヤンとのライヴがあります。この録音はスイスロマンドとの貴重な演奏で第1楽章冒頭のホルン・ソロはエドモン・ルロワールと思われます。大変きれいなソロです。バックハウスのピアノはウィーン・フィルとの名盤と同様に実に素晴らしいピアノを披露しています。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭の厚みのある響き、ホルンのファンファーレの強調と第2主題のテンポの落とし方はアンセルメ独特です。展開部の流れも素晴らしく、再現部ではファゴットのファンファーレをホルンで吹いています。第2楽章はゆったりとしたテンポで主題を表情豊かに歌っています。木管は大変良い響きを出しています。フルートの響きがきれいです。第3楽章は序奏のフェルマータが長めです。ホルンの主題は素晴らしい。フーガの演奏は弦の見事な演奏があります。フィナーレの冒頭は厚い響きを出しています。展開部では管楽器の響きもよく、第3楽章の回想から再現部も同様。コーダのホルンの主題は実にきれいです。プレストからは圧倒的な演奏でした。最後のフェルマータの前に少し間をおいていて感動的でした。


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