ベートーヴェン/ホルン・ソナタ

ヨーゼフ・イーガー(1959)
CD(RCA LSC2420)

1.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
2.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ ヘ長調Op17

  ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)(1)
  ヨーゼフ・イーガー(ホルン)(1&2)
  ヴィクター・バビン(ピアノ)(1&2)
  録音 1959年3月13&14日(1)
      1959年(2)

 ブラームスの「ホルン三重奏曲」はステレオ初期の録音で、この時期にはアメリカでジョン・バロウズやマイロン・ブルームも録音していました。ヨーゼフ・イーガーはアメリカのホルン奏者と思われますが、経歴は不明です。音色はアメリカのホルン奏者らしい音でした。演奏は確かなものですが、個性のあるものではなく、アンサンブルとしてのホルンの位置づけをしっかりとしたものです。甘い音色のホルンはメイソン・ジョーンズのようで、ブラームスの作品がよりロマンティックに響きます。シェリングのヴァイオリンが主導権を握っているようですがピアノの響きの良さとホルンの掛け合いが見事です。第2楽章のアレグロは聴きどころでしょう。フィナーレも同様でホルンの楽しそうな響きがあります。
 ベートーヴェンの「ホルン・ソナタ」は初のステレオ録音でした。1960年代にはいくつもの録音がありますがそれに先駆けたイーガーの録音でした。当時ブレインのモノラルしかなかったこの作品の録音にステレオ録音が登場したのです。安定したテクニック、やわらかな響きのホルンで温かみのある演奏は優しさが感じられます。聴きなれたこのホルン・ソナタに新鮮味を感じさせる演奏です。


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