ベートーヴェン/ホルン・ソナタ

ペーター・ダム(1968)

LP(ETERNA 8 25 990)
CD(BERLIN Classics 0091862BC)
LP
ホルンとピアノのための音楽
1.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ ヘ長調Op17
2.シューマン/アダージョとアレグロOp70
3.デュカス/ヴィラネル
4.ケーラー/ホルン・ソナタOp32
5.ロイター/カント・アパッショナート
  ペーター・ダム(ホルン)
  アマデウス・ウェーバージンケ(ピアノ)
    録音 1968年9月
CD
ベートーヴェン/管楽器のための音楽
1.ホルン・ソナタ ヘ長調Op17
2.管楽器のための六重奏曲変ホ長調Op71
3.管楽器のためのロンディーノ変ホ長調
4.管楽器のための八重奏曲変ホ長調Op103
  ペーター・ダム(ホルン)(1)
  アマデウス・ウェーバージンケ(ピアノ)(1)
  ライプツィヒ放送交響楽団管楽合奏団(2〜4)
     録音 1968年9月(1)
         1968年8月(2〜4

 LPはダムがゲヴァントハウスの首席だった時の録音です。翌年にはドレスデン国立歌劇場の首席に就任しています。
  ベートーヴェンのホルン・ソナタはこの後は録音がありませんので、ダムの唯一の録音になります。ややこもった音ですが70年代からのの明るい音色はすでにこの頃からできあがっていたことがわかります。彼独特の音色で聴くベートーヴェンもまた味わいが深いです。きれいすぎるほどのベートーヴェンです。
 シューマンのアダージョとアレグロは1976年に同じウェーバージンケと再録音していますが、この若いときの演奏もまた見事な演奏です。低音から高音まできれいな音色で吹いています。アレグロのきれのよい演奏がまた聞きものです。
  デュカスのヴィラネルは来日でも演奏してますが、1985年に再録音しています。この初めての録音はフランスの音楽を演奏するにはぴったりの明るい響きで吹いています。後半の速いフレーズも見事な演奏です。
  ジークフリート・ケーラー(1927〜1984)のホルン・ソナタOp32は「ロッテルダム1940年5月14日」の副題があり、戦時中に爆撃されたときを題材にしたものですが、音楽にはそんなことは感じられません。3つの楽章からなりダム先生の演奏は大変きれいなホルンでピアノの響きもまた迫力があります。なおこの作品は弟子の水野信行によって2010年に録音されています。
  ヴィリ・アルブレヒト・ロイターの「カント・アパッショナート」は1958年の作品。「熱情的な歌」という意味ですが、そのホルンの歌う激しさを感じさせる主題は暗くもあり、なんとも魅力的な作品です。録音は大変珍しく他にはほとんどないと思われます。ダム先生の演奏はベートーヴェンよりもホルンの音色は抜けがよく、持ち方を変えたのかもしれません。
 CDはベートーヴェンの室内楽作品です。ホルン・ソナタを聴いて驚いたのは、これがダムの音なんだろうかというほど音色が違っていました。おそらく奏法、楽器が違っていたのかもしれません。明るい音ですが柔らかではなく少しかたい音色でバボラークが吹いているような演奏に聞こえました。演奏は見事です。
 管楽アンサンブルはライプツィヒ放送交響楽団のメンバーで、ダムは参加していませんが、きれなアンサンブルを披露しています。


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