モーツァルト/ホルン協奏曲

1&3番/ヨ−シ・ファロート(1980年代)
CD(PILZ 160 224)

モーツァルト/管楽器のための協奏曲
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
2.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
3.オーボエ協奏曲ハ長調K314

  ヨーシ・ファロート(ホルン)(1&2)
  イーヴォ・ロジェリック(オーボエ)(3)
  クルト・レーデル指揮
   カメラータ・ラバチェンシス
    録音 1980年代

 このCDは初期のPILZです。1989年に輸入廉価盤が出始めたころのものです。
 ホルン協奏曲第1番はゆったりとした第1楽章が良い響きです。ファロートのホルンは時に軽いビヴラートがかかって美しいモーツァルトになっています。
第2楽章のロンドはこれも軽やかなホルンがきれいな響きです。後半にカデンツァを入れています。第1楽章の主題もアレンジした長大なカデンツァです。ジェスマイアー版では大変珍しいことです。
 ホルン協奏曲第3番は冒頭でホルンが吹くはずの「ドー・ソー・ド」が入りません。またそのあとに吹くはずの「ソソソ ソソミド、ソ、ソ」まで吹いていないことには驚きました。ソロに入るとレガートのきれいな演奏です。面白いのは提示部最後のトリルを演奏しないことです。2つの音にしています。展開部はよい響きです。カデンツァは長大で大変良くできています。見事な演奏です。第2楽章のロマンツェは豊かな響きのホルンがきれいです。なんとも感動的なホルンの響きです。提示部最後にシヴィルと同様な分散和音を吹いています。第3楽章のアレグロは軽やかなホルンですが、途中にアドリブでオーケストラのパートにホルンを重ねて吹くという面白いこともやっています。また突然装飾音を加えたりして驚かされます。コーダもアドリブを加えていました。面白い演奏です。
 オーボエ協奏曲はロジェリックのオーボエ・ソロによる演奏です。この作品はニ長調のフルート協奏曲第2番にもなりますが、原曲のオーボエ協奏曲はハ長調で、響きが重厚になります。オーボエの響きは大変きれいです。第1楽章から滑らかなオーボエが響きます。カデンツァは華麗に響きます。第2楽章は少し速めのアダージョ・ノン・トロッポになっています。響きはきれいです。第3楽章のロンドはアレグレット、この楽章はオーボエで演奏すると大変よく聞こえます。オーボエのために書かれた作品だと納得できます。


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