モーツァルト/ホルン協奏曲

1&3番/ベルント・ヘイザー(1980年代)
CD(LASERLIGHT 15 624)

モーツァルト/フルート&ホルン協奏曲集
1.フルート協奏曲第1番ト長調K313
2.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.フルート協奏曲第2番ニ長調K314

  クルト・ベルガー(フルート)(1&4)
  ベルント・ヘイザー(ホルン)(2&3)
  ヘルベルト・クラウス指揮
   ウィーン・モーツァルト・アンサンブル
   録音 1980年代

 このCDはアメリカ盤ですが、2つのホルン協奏曲の演奏はPILZから発売のヨーシ・ファロートと同じ音源です。演奏者名もオーケストラも違いますので別にしますが、全く同一演奏です。
 フルート協奏曲第1番はクルト・ベルガーのフルート独奏です。ウィーンの香り豊かなきれいな演奏です。モーツァルトはフルートの作品をいくつか作曲しましたがこの第1番は代表的な作品で、録音も多くフルートの演奏家に愛されています。フルート協奏曲の代表といっても良いと思います。カデンツァがまた素晴らし響きです。第2楽章はアンダンティーノ・ノン・トロッポ、フルートの美しい響きが素晴らしい。カデンツァもよい響きです。第3楽章のロンドはメヌエットのテンポで演奏されますがやや速いテンポで軽やかに演奏しています。
 ホルン協奏曲第1番はゆったりとした第1楽章が良い響きです。ヘイザーのホルンは時に軽いビヴラートがかかって美しいモーツァルトになっています。第2楽章のロンドはこれも軽やかなホルンがきれいな響きです。後半にカデンツァを入れています。第1楽章の主題もアレンジした長大なカデンツァです。ジェスマイアー版では大変珍しいことです。
 ホルン協奏曲第3番は冒頭でホルンが吹くはずの「ドー・ソー・ド」が入りません。またそのあとに吹くはずの「ソソソ ソソミド、ソ、ソ」まで吹いていないことには驚きました。ソロに入るとレガートのきれいな演奏です。面白いのは提示部最後のトリルを演奏しないことです。2つの音にしています。展開部はよい響きです。カデンツァは長大で大変良くできています。見事な演奏です。第2楽章のロマンツェは豊かな響きのホルンがきれいです。なんとも感動的なホルンの響きです。提示部最後にシヴィルと同様な分散和音を吹いています。第3楽章のアレグロは軽やかなホルンですが、途中にアドリブでオーケストラのパートにホルンを重ねて吹くという面白いこともやっています。また突然装飾音を加えたりして驚かされます。コーダもアドリブを加えていました。面白い演奏です。
 フルート協奏曲第2番はオーボエ協奏曲ハ長調をニ長調に移調してフルートで演奏しています。そのほうがフルートの響きが華麗になるそうです。第1楽章からそのフルートの華麗な響きが流れます。モーツァルトのフルート協奏曲の第2番としてこれほど相応しい作品もないでしょう。オリジナルのカデンツァがまた素晴らしい響きです。第2楽章はアダージョ・ノン・トロッポもまた華麗なフルートが響きます。第3楽章のロンドはアレグレットで、美しいモーツァルトになっています。カデンツァも素晴らしい響きです。これは良い演奏です。


トップへ
戻る
前へ
次へ