モーツァルト/ホルン協奏曲

3&4番/ズビグニェフ・ツーク(1995)
CD(Zuk Records 160114)

アイネ・クライネ・ホルンムジーク
1.モーツァルト/ホルン協奏曲第3番変ホ長調
2.   〃   /ホルン協奏曲第4番変ホ長調
3.   〃   /ロンド変ホ長調K371
4.L・モーツァルト/ホルン協奏曲ニ長調
5.   〃   /2つのホルンの為の協奏曲変ホ長調

  ズビグニェフ・ツーク(ホルン)
  ヤチェク・ムズィク(ホルン)(5)
  ヤン・スタニエンダ指揮
    ブロツワフ室内管弦楽団
    録音 1995年4月10〜12日

 このCDにはモーツァルト父子の協奏曲が収録されています。
 モーツァルトのホルン協奏曲第3番はツーク独特の吹き方でレガートの少ないかためのホルンです。第1楽章展開部のテンポアップなど、こういうホルンも面白いです。カデンツァが長大で大変凝ったものです。第2楽章のロマンスはレガートを使って滑らかなホルンを演奏しています。コーダではアドリブが入ります。第3楽章のアレグロは軽やかな演奏です。時に装飾音を入れるなどして個性を出しています。
 モーツァルトのホルン協奏曲第4番は序奏のオーケストラの厚みのある響きが素晴らしい。ホルンのソロは豪快な響きの演奏です。優しい響きのホルンが多いモーツァルトの協奏曲でここまでやってくれるとは面白いです。アドリブもあります。カデンツァは大変凝った作品で長大なもので見事な演奏です。第2楽章のロマンスはきれいなレガートで歌っています。第3楽章のロンドは速いテンポで演奏しています。トリルを使うアドリブもあります。面白い演奏です。コーダ前に短いカデンツァのようなアドリブがあります。
 ロンドK371は新しいヴァージョンではなく従来のヴァージョンです。編曲者は不明です。演奏はアドリブも入る見事な演奏です。カデンツァはクリング版のカデンツァをアレンジしたものを演奏しています。
 L・モーツァルトのホルン協奏曲は4楽章の室内シンフォニアです。第1楽章はホルンの楽しい歌があります。第2楽章はアンダンテ、ヴァイオリンソロが入ります。ホルンとのデュオがきれいです。ここでもアドリブが入ります。第3楽章はメヌエット、速めのテンポで楽しそうな演奏ですが、トリオは弦楽のみでテンポを落しています。第4楽章はホルンのトリルで始まります。速いテンポで楽しそうです。
 L・モーツァルトの2つのホルンのための協奏曲ではヤチェク・ムズィクが2番のホルンを吹いています。第1楽章は弦楽の厚みのある響きが鮮やかです。2本のホルンが良い響きで歌います。この作品では細かいフレーズが使われています。演奏は抜群です。第2楽章はアンダンテ、弦楽の重厚な響きが印象的です。2本のホルンがきれりな和音を聞かせてくれます。第3楽章はアレグロ、2本のホルンが楽しそうに歌います。レオポルド・モーツァルトの華やかな作品はいつ聞いても素晴らしいと思います。


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