モーツァルト/ホルン五重奏曲

シャオミン・ハン(1998)
CD(OEHMS OC 1805)

上海・モーツァルト・ドリーム
1.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
2.ホルン五重奏曲変ホ長調K407
3.ディヴェルティメント第15番変ロ長調K287

  シャオミン・ハン(ホルン)(1〜3)
  ヨーゼフ・スヴェンセン指揮
  ザールブリュッケン放送交響楽団(1)
  レイ・ホウ(ヴァイオリン)(2&3)
  キン・ホウ(ヴィオラ)(2&3)
  リークォ・チャン(ヴィオラ)(2&3)
  レイ・ワン(チェロ)(2&3)
  ジェーン・レーマン・ハン(ホルン)(3)
  マルティン・ドブナー(コントラバス)(3)
  録音 1993年1月18日(1)
      1998年4月14日(2)
      1999年4月6〜8日(3)

 シャオミン・ハンは1963年上海生まれの中国のホルン奏者です。17歳で北京フィルハーモニーの首席に就任。その後小澤征爾に認められて
1981〜84年にはボストンのニュー・イングランド音楽院でリチャード・マッケイに師事、その後ドイツに渡りアイファー・ジェームズに師事しています。1985年からはザールブリュッケン放送響のソロホルン奏者をつとめています。室内楽はシカゴ交響楽団のメンバーとの共演です。
 シャオミン・ハンは1996年にモーツァルトのホルン協奏曲全集を録音していますが、このホルン協奏曲第3番はその3年前に録音されたものです。大変丁寧な演奏でレガートのきれいな演奏です。カデンツァは自作のもので1996年の録音とは異なるカデンツァを吹いています。第2楽章:ロマンスはあたたかい響きのホルンがきれいです。第3楽章:ロンドは軽やかな演奏で見事なテクニックを披露しています。結尾ではアドリブも聞かせてくれます。
 ホルン五重奏曲はシカゴ交響楽団の中国系メンバーとの共演です。ホルンは明るい響きでまるでペーター・ダムのホルンのようです。豊かな響きのホルンがホール一杯に響き渡る素晴らしい演奏です。第2楽章は丁寧に伸びやかに演奏するホルンがきれです。第3楽章は軽やかなアレグロでメリハリのある演奏が好印象です。なおコーダ前にカデンツァは入りませんが抜群のテクニックで素晴らしい演奏です。
 ディヴェルティメント第15番はシカゴ交響楽団のメンバーとザールブリュッケン放送響のメンバーによる演奏です。2本のホルンが活躍する作品です。第1楽章の軽快な主題と2つのホルンの響きはこの作品の特徴的なところです。第2楽章の主題と6つの変奏はこの曲の聴きどころです。この演奏ではホルンが大きく響くところがあります。第3楽章はメヌエット1でモーツァルトの美しい響きがあります。この演奏ではホルンが目立ちますが2本のホルンと弦楽五重奏ですから当然かもしれません。第4楽章:アダージョは弦楽の美しい響きが聴きどころです。モーツァルトの作品の中でもとりわけ美しい主題が流れます。カラヤンが何度も演奏したのもよくわかります。ホルンは入りません。第5楽章のメヌエット2はモーツァルトらしさあふれる響きがきれいです。第6楽章はアンダンテからアレグロ・モルトになります。このディヴェルティメントの中でもヴァイオリンが美しい主題を奏でる名作です。改めてこの作品の素晴らしさを感じます。


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