モーツァルト/ホルン五重奏曲

ウィラード・ジルク(1999)
CD(CENTAUR CRC3048)

モーツァルト/室内楽作品集
 1.ホルン五重奏曲変ホ長調K407
 2.ピアノ四重奏曲第1番ト短調K478
 3.クラリネット五重奏曲イ長調K581
   ウィラード・ジルク(ホルン)(1)
   ダディ・メータ(ピアノ)(2)
   キンバリー・コール・レヴァノ(クラリネット)(3)
   アリアンナ弦楽四重奏団(1〜3)
   デイヴィッド・フォスター(ヴィオラ)(1)
     録音 1999年5月

  アメリカの演奏家達によるモーツァルトの室内楽作品です。ウィラード・ジルク(Willard Zirk)は東ミシガン州立大学の教授でアナーバー交響楽団の首席ホルン奏者です。優れたホルン奏者らしくきれいな音色、安定した響きを保っています。モーツァルトの天国的な響きと美しさを十分に楽しめるでしょう。アリアンナ弦楽四重奏団の美しい響きもまた素晴らしくこれぞモーツァルトかもしれません。
  ピアノ四重奏曲第1番はト短調という調性でモーツァルトの傑作のひとつです。弦楽四重奏の美しさとピアノ・ソナタの愛らしさを兼ね備えたような傑作です。演奏の水準の高さは十分です。
  最後のクラリネット五重奏曲はモーツァルトの最高傑作といっても過言でない名曲中の名曲です。もともとバセットクラリネットのための作品でした。低音が使われています。甘い音色のクラリネットがたまりません。メヌエットの第1トリオはイ短調で弦楽四重奏だけで演奏され、実に哀愁的で一度聞いたら忘れられないでしょう。第4楽章の第3変奏でヴィオラの嘆くような旋律は一瞬クラリネットの作品かなと錯覚するほど強烈な印象を受けます。それにしてもこの演奏は素晴らしいもので、何度も聴いていたい名演です。
 3曲ともに名演といえますが、中でもクラ五重奏は絶品。


トップへ
戻る
前へ
次へ