シューベルト/流れの上で

ステファン・ヘンケ(1997)
CD(ANTES BM-CD31.9120)

ロマン派歌曲集
1.フランツ・ラハナー/女の愛と生涯Op59
2.     〃     /新しい春
3.     〃     /ヴァルトワルツOp.28-2
4.     〃     /人魚
5.     〃     /小さな林鳥Op.28-1
6.     〃     /放浪者の祈り
7.     〃     /問い
8.     〃     /秋Op30
9.シューベルト/流れの上でD.943
10.プロッホ/アルペンホルンOp18
11.  〃  /母は私にたずねるだろうOp159
12.  〃  /暗い菩提樹の下でOp122
13.  〃  /演奏会用アリアOp110

  アリオン・トリオ
  アンドレア・ウェイト(ソプラノ)
  ステファン・ヘンケ(ホルン)
  ライナー・ゲップ(ピアノ)
   録音1997年8月12〜14日

 ドイツの演奏家によるホルン・オブリガート付きのロマン派歌曲集です。名曲シューベルトの「流れの上で」を中心にしてフランツ・ラハナーを8曲とハインリヒ・プロッホの作品4曲を演奏しています。アンドレア・ウェイトのソプラノは派手さはないものの美しい歌唱で楽しませてくれます。
 ステファン・ヘンケはドイツのホルン奏者で、ワルター・レックスットとヘルマン・バウマン、エーリヒ・ペンツェルに師事した後、主にドイツの歌劇場で活動しながら欧米でソリストとしても活動しています。そのホルンは安定した音色で雰囲気豊かな演奏です。
 フランツ・ラハナーはラハナー3兄弟の長男でこのホルン・オブリガート付きの歌曲はかなりの数作曲しているようです。「女の愛と生涯」と「秋」は他にも録音がいくつかあるほどで、比較的知られた曲のようです。またこれだけまとまったラハナーの作品が聞けることは嬉しいことです。
 シューベルトの「流れの上で」は最近ソプラノで歌われることが多くなりました。ヘンケのホルンはのびのびと優雅に歌いながらソプラノを引き立てる見事な演奏です。
 ハインリヒ・プロッホは1809年生まれでフランツ・ラハナーより6歳若いですが同じ編成の歌曲をいくつか作曲しました。「アルペンホルン」は同じ題名の作品をリヒャルト・シュトラウスが作曲していますが、全く同じくソプラノ、ホルンとピアノのための歌曲でした。このプロッホの作品もホルンの長いソロで始まります。他の3曲もロマン派の作品らしくメロディのきれいな作品が揃っています。「母は私にたずねるだろう」や「暗い菩提樹の下で」などまるでホルン作品のような序奏です。「暗い菩提樹の下で」は長い序奏で1分20秒のホルン・ソロが響きます。最後のコンサート・アリアは27秒のピアノ・ソロ、それから30秒はホルンとピアノの長い序奏です。ホルン・ファンにはたまらない作品が続いています。


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