シューマン/アダージョとアレグロ

アンドリュー・マカフィー(2011)
CD(自主制作盤)

1.グリエール/ホルン協奏曲変ロ長調Op91
         〜第2楽章:アンダンテ
2.F・シュトラウス/ノクターンOp7
3.メンデルスゾーン/アンダンテ
    〜交響曲第5番「宗教改革」より
4.シューマン/アダージョとアレグロOp70
5.ビュッセル/演奏会用小品Op39
6.ウィンター/ホルン・ソナタ
7.F・シュトラウス/シューベルトの
   「あこがれのワルツ」による幻想曲Op2
     (トーマス・ベイコン校訂)

  アンドリュー・マカフィー(ホルン)
  ナンシー・ウィーラン(ピアノ)
  録音 2011年5月28日〜6月1日

  アンドリュー・マカフィーはアメリカ、ノースカロライナ交響楽団の首席ホルン奏者を1992〜2007年の15シーズンつとめました。デイヴィッド・クレヴィールとジェイムズ・ウィンターに師事しています。アルバムは「情熱のホルン」というタイトルになっています。
  グリエール/ホルン協奏曲変ロ長調は難曲中の難曲ですが、第2楽章:アンダンテは穏やかメロディの流れるロマンティックが小品でピアノ伴奏ならなおさら美しい作品です。マカフィーは大げさといえるほど情熱的に表現しています。
  フランツ・シュトラウスのノクターンは80年代からさかんに演奏さるようになった名曲です。弱奏部分ではロマンティックに、強奏の部分では力強く見事な演奏です。メンデルスゾーンの「アンダンテ」は交響曲第5番「宗教改革」の第3楽章:アンダンテをメイソン・ジョーンズが編曲したものです。原曲は弦楽によって美しい主題が演奏されます。ホルンで演奏するとまた美しいものです。
  シューマンのアダージョとアレグロは定番の曲で表現力が聞きものです。この作品でマカフィーが魅せたのはアレグロの結尾でオクターブ高い音を出したことです。古今の多くの録音の中で始めてやってのけた記念碑的な録音です。超ハイトーン(E)を出しています。
  ビュッセルの演奏会用小品はホルンのオリジナル作品ですが録音はきわめて少なく山本昭一のライヴがあるくらいです。ハンドストップを使います。
  ジェイムズ・ウィンター(1919〜2006)はアメリカのホルン奏者で作曲家です。「若いホルン奏者のための組曲」が出版されていて録音もあります。このホルン・ソナタは1955年の作曲ですが未出版で録音はこの演奏が初めてです。3つの楽章で構成され16分あまりの作品です。ヒンデミットのソナタを彷彿させます。
  最後のF・シュトラウス/幻想曲Op2はシューベルトのピアノ作品「あこがれのワルツ」をテーマにしたものですが、ここではアメリカのホルン奏者トマス・ベイコンの校訂による楽譜を使っています。ピアノもシューベルトを意識したような響きを出しています。マカフィーの演奏は申し分なくこの長い作品を見事に吹き上げています。


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