シューマン/アダージョとアレグロ

リチャード・ワトキンス(2011)
CD(hyperion CDA67923)

シューマン/室内楽作品集
1.アダージョとアレグロ 変イ長調 Op70
2.おとぎの絵本 Op.113
3.幻想小曲集 Op73
4.おとぎ話 Op132
5.3つのロマンス Op94
6.ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調 Op105

 ナッシュ・アンサンブル
 リチャード・ワトキンス(ホルン)(1)
 ローレンス・パワー(ヴィオラ)(2&4)
 リチャード・ハスフォード(クラリネット)(3&4)
 ギャレス・ハルス(オーボエ)(5)
 マリアンネ・トゥーシェン(ヴァイオリン)(6)
 イアン・ブラウン(ピアノ)(1〜5)
 録音 2011年7月12〜14日
    ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール

 ナッシュ・アンサンブルによるシューマンの室内楽作品集です。
 「アダージョとアレグロ」はホルンとピアノのための作品で、ホルン作品の定番です。録音は大変多いです。ワトキンスの最初の録音でした。滑らかなホルンで歌われるアダージョはよい響きです。こうありたいと思えるほどの理想的な響きと演奏です。アレグロは快いホルンの響きとテンポ運び、素晴らしい演奏です。
 「おとぎの絵本」はヴィオラとピアノのための作品で、ローレンス・パワーがヴィオラのソロを演奏しています。この曲は4つの小品で構成されています。第2曲、第3曲の忙しそうなフレーズは絵本をみているようです。ピアノとともに良い演奏です。
 幻想小曲集はクラリネットとピアノのための作品で、ホルンで演奏されることもあります。リチャード・ハスフォードのクラリネット・ソロで演奏しています。3つの小品で構成されています。第2曲は大変愛らしいメロディが歌われます。この歌を聴くのがこの作品の楽しみでもあります。ハスフォードは美しい響きで演奏しています。
 「おとぎ話」はクラリネット、ヴィオラとピアノのための三重奏曲です。同じ編成の作品をモーツァルトも作曲していました。シューマンは題材が「おとぎ話」ですからクラリネットとヴィオラの対話がきれいです。4つの小品で構成されています。第3曲の語りかけるような演奏、第4曲では喜びを語るようににぎやかに演奏しています。
 「3つのロマンス」はオーボエとピアノのための作品でオーボエのための作品としても大変有名な作品です。録音も多いです。ホルンで演奏されることもあります。
第1曲の冒頭から哀愁的な主題が歌われます。この主題は一度聞いたら忘れそうにありません。ギャレス・ハルスのオーボエで聴くとその美しい響きにうっとりです。第2曲の愛らしさ、第3曲の親しみやすい主題と名曲名演です。
 「ヴァイオリン・ソナタ第1番」はマリアンネ・トゥーシェンのヴァイオリン・ソロによる演奏です。第1楽章冒頭から始まる主題は高音域が少ないので癒されます。曲は3つの楽章で構成されいます。第2楽章のアレグレットは快活な主題が奏でられています。第3楽章の劇的な響きは印象的です。


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