ウェーバー/コンチェルティーノ

アレク・フランク=ゲミル(2011)
CD(LINN BKD 409)

ウェーバー/管楽器のための協奏曲集
1.クラリネット協奏曲第1番へ短調Op73
2.ファゴット協奏曲ヘ長調Op75
3.ホルンのためのコンチェルティーノ ホ短調Op4
4.クラリネットのためのコンチェルティーノ
               変ホ長調Op26

  マキシミリアーノ・マルティン(クラリネット)(1&4)
  ピーター・ウェラン(ファゴット)(2)
  アレク・フランク=ゲミル(ホルン)(3)
  アレクサンダー・ヤニチェク指揮
  スコットランド室内管弦楽団
  録音2011年9月5〜9日  

 スコットランド室内管弦楽団のソリストたちによるウェーバーの管楽器のための協奏曲集です。
 クラリネット協奏曲第1番を吹くマキシミリアーノ・マルティンの演奏は第1楽章のあまい響きが素晴らしい。第2楽章のアダージョ・マ・ノン・トロッポではロングトーンの美しさ、第3楽章:ロンドでは技巧的な演奏の連続です。これも見事な演奏です。
 ファゴット協奏曲ヘ長調はモーツァルトのファゴット協奏曲変ロ長調と共に古典派協奏曲の代表的な作品でファゴットの重要なレパートリーです。ピーター・ウェランの演奏は実に堂々とした響きでこの楽器の独特の音色を楽しませてくれます。第2楽章:アダージョの穏やかな演奏、第3楽章:ロンドの鮮やかな演奏と素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
 ホルン協奏曲(コンチェルティーノ)は難曲で有名ですが、このアレク・フランク=ゲミルの演奏は序奏からアドリブの入るもので、いつもの演奏を期待するととんでもなく、提示部の前にカデンツァまで入れています。またこの協奏曲ではリピートがいくつもありますが、最初は楽譜通りに演奏して、リピートはアドリブというよりはヴァリエーションのようになっています。今までにない新たな演奏です。カデンツァ部分では雄大な響きを聴かせるのですが重音の部分ではオリジナルのカデンツァに加えてさらにアドリブの入るところが独自の演奏です。ポラッカに入ってもやはりリピートではアドリブが入ります。この演奏はオリジナルを超えたアレク・フランク=ゲミルの編曲版です。それにしてもここまでやるとは恐れ入ります。
 クラリネットのためのコンチェルティーノは冒頭に劇的な序奏があります。クラリネットの美しい響きとウェーバー独特のオーケストラの響きが特徴です。特に第3楽章はオーケストラの響きが素晴らしい。


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