田園交響曲

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1976)
CD(DGG 474 260-2)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
        (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.    〃   /交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」
3.ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調Op125「合唱」

  アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ)(3)
  アグネス・バルツァ(メゾ・ソプラノ)(3)
  ペーター・シュライヤー(テノール)(3)
  ホセ・ファン・ダム(バリトン)  
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    ウィーン楽友協会合唱団(3)
   録音1976年10月&77年1&3月(1)
      1976年10月(2)
      1976年9&12月&77年1月(3)
     ベルリン・フィルハーモニー

 カラヤン/ベルリン・フィル2度目のベートーヴェン全集、カラヤンとしては3度目の全集は1975〜77年の録音でした。
 「運命」は厚みのある冒頭でたっぷりと伸ばしたフェルマータがきれいです。残響が生きています。ホルンのファンファーレはザイフェルトらの鮮やかな演奏が素晴らしい響きを出しています。展開部の演奏は弦楽の刻みの鮮やかさと管楽器の抜群の響きが聞きもの。再現部のファンファーレはホルンとファゴットが吹いているようですが、ファゴットだけかもしれません。第2楽章は弦楽と木管の美しい響きがたまりません。第3楽章は速めのテンポですすみます。ホルンの主題は力強いです。フーガの演奏は弦楽の抜群の演奏があります。フィナーレはティンパニと管弦楽のバランスの良い響きが素晴らしく、カラヤンの求める響きそのものでしょう。展開部の管楽器の美しさは絶品です。再現部の響きも素晴らしく、コーダのホルンの主題から終結まで一気に演奏しています。最後のフェルマータの前に一瞬の間をおくのは絶妙です。
 「田園」は速めのテンポでさわやかな演奏です。フルートの明るい響きが小鳥の鳴き声のようです。第2楽章もやや速めのテンポです。その中にあってクラリネットとファゴットによる主題は実におおらかでたっぷりと歌っています。また終結のフルート、オーボエ、クラリネットの掛け合いが見事です。第3楽章のホルン・ソロはザイフェルトのようです。第4楽章の「嵐」は凄い迫力です。オーケストラの大音量、そしてティンパニの生々しい雷鳴が凄いです。第5楽章はクラリネット、ホルンの主題が美しい響きで始まります。ザイフェルトのホルン・ソロがきれいです。
 第九はカラヤンが数多く演奏した曲の1つです。そのスタイルはほとんど変わらないように思われます。変わるのはソリストです。フィナーレの「オー!フロイデ」はホセ・ファン・ダムの力強い歌唱に聞きほれます。またトモワ=シントウのソプラノは素晴らしいです。


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