田園交響曲

ヘルベルト・ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ(1977)

CD1(BRILLIANT 99927) 全集
CD2(BERLIN Classics 0185332BC)

 ベートーヴェン/交響曲全集
CD1-3&CD2
1.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   7:58/11:14/8:53/8:48
  (第1楽章、第3楽章リピート:ギュルケ版)
2.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」

  ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
    ドレスデン・シュターツカペレ
  録音 1977年3月14〜18日(1)
      1977年6月6〜9日(2)

 ブロムシュテットがドレスデン・シュターツカペレを指揮したベートーヴェン交響曲全集の中の1枚です。これがブロムシュテット最初のベートーヴェン交響曲全集でした。
 交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭は重厚な響きで、フェルマータは若干のクレッシェンド気味でしっかり伸ばしています。ホルンのファンファーレは明るい響きがきれいです。展開部は弦楽と管楽器のバランスのよい見事な演奏です。ティンパニも良い響き、オーボエのカデンツァもきれいです。再現部のファゴットのファンファーレはファゴットによる演奏です。コーダまでの力強い演奏は素晴らしいものです。フェルマータはたっぷり伸ばしています。第2楽章はやや遅めのテンポで主題を丁寧に歌っています。弦楽の美しさがあります。木管も良い響きです。第1変奏の美しい響き、全合奏の厚い響きと低弦の力強さ、第2変奏においても同様で、ファゴットとクラリネットの良い響きが聴かれます。木管四重奏の美しい響き、そしてクライマックスも聴きものです。木管の第3変奏もきれいな響きです。そしてコーダはテンポを落して感動的な演奏です。第3楽章は序奏に続くホルンの明るい響きが素晴らしい。この楽章の厚い響き、フーガの力強い弦楽の演奏、低弦の力強さがあります。ギュルケ版は提示部のリピートがあります。コーダまでの緊張感、木管の美しい響き、これが素晴らしい。フィナーレは冒頭の重厚な響き、ホルンの良い響き、提示部の厚い響きは聴きものです。展開部の響きの良さ、第3楽章の回帰の美しい響き、再現部の緻密な演奏と感動的な演奏が続きます。コーダのホルンの主題とピッコロの素晴らしい響きが聴きものです。プレストから終結までの圧倒的な演奏、最後のフェルマータも感動的です。

 交響曲第6番「田園」は第1楽章の冒頭から美しい響きです。そして一気に盛り上げていきます。オーボエが良い響きです。全合奏は良い響きです。展開部はフレーズの繰り返しがあります。弦楽と管楽器の美しい響きが聴かれます。再現部は弦楽と管楽器のバランスのよい演奏です。コーダのクラリネットが大変きれいに響きます。最後はたっぷり伸ばしています。第2楽章の「小川のほとりの情景」は小川の流れを感じさせる弦楽の動きがきれいに響きます。管楽器の響きもきれいです。ファゴットに始まる第2主題が小川の流れの良さを感じさせます。続く弦楽も素晴らしい響きです。再現部のフルート、オーボエの歌は鳥の鳴き声のように聞こえます。コーダのフルート、オーボエ、クラリネットが歌う小鳥の鳴き声は素晴らしい演奏です。終結も良い響きです。第3楽章のアレグロは快適な演奏です。オーボエ、クラリネット、ホルンと続くソロは素晴らしい響きです。トリオの迫力ある演奏はまるで踊っているかのようです。第4楽章の「嵐」は嵐の前の静けさから一気に嵐の大雨になる様子、ティンパニの雷鳴と生々しい響きがあります。ティンパニの響きは豪快で見事なものです。また大雨がきて、雲が流れていく様子も感じられます。コーダの遠雷の表現は見事です。第5楽章の「嵐のあとの感謝の気持ち」はクラリネットに続くホルンの美しい響きでよく表れています。そして「牧人の歌」は喜びにあふれています。主題の変奏もよい響きになって素晴らしい「田園」です。コーダの素晴らしい演奏、ホルンのソロも大変きれいに響きます。
(CD1は2002年発売のオランダ盤全集、CD2は2006年発売のドイツ盤)


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