シューベルト/流れの上で

オリヴィエ・ダルベレイ(2016)
CD(CHALLENGE CLASSICS CC72771)

1.ブリテン/ザ・ハート・オブ・ザ・マター
 (カンティクル第3番「まだ雨が降っている」を含む)
2.フランツ・ラハナー/人魚
3.コンラディン・クロイツァー/水車
4.フランツ・ラハナー/「秋」Op30−1
5.コンラディン・クロイツァー/セレナーデ
6.カール・コスマリー/「憧れ」
7.   〃    /「漁師の娘」
8.ヘンリー・ヒューゴ・ピアソン/狩人の別れ
9.シューベルト/流れの上で D.943

 クリストフ・プレガルディエン(テノール)
 オリヴィエ・ダルベレイ(ホルン)
 ミヒャエル・ゲース(ピアノ)
 録音 2016年11月2〜5日
  スイス、ブルーメンシュタイン教会

 プレガルディエンのテノールとダルベレイのホルンそしてゲースのピアノによるトリオ集です。
 ブリテンの「ザ・ハート・オブ・ザ・マター」はホルンのタックウェルとフランク・ロイドの録音以来です。この作品は「カンティクル第3番」をメインとしてナレーションとテノール歌唱とファンファーレによって構成されています。第1曲「プロローグ」はホルンのファンファーレと歌唱によります。第2曲、第4曲、第6曲と第8曲はナレーション、第3曲はホルンのファンファーレ、第5曲はテノールの歌唱、第7曲はメインのカンティクル第3番「まだ雨が降っている」でテノール、ホルンとピアノのトリオです。ダルブレのホルンが朗々と響きます。第9曲は「エピローグ」でホルンのファンファーレとテノールの歌唱によります。「プロローグ」とほぼ同じでホルンは静かに吹いて最後はミュートを使います。
 フランツ・ラハナーの「人魚」は19世紀ロマン派の歌曲です。ホルンの伴奏がテノールと対等に歌われます。コンラディン・クロイツァーの「水車」はホルンのソロが活発に動きます。水車の動きを表しているようです。
 フランツ・ラハナーの「秋」はこのトリオ作品の中でも人気のある作品です。ホルンの導入のあとに歌われています。秋の郷愁が感じられます。クロイツァーの「セレナーデ」は録音のほとんどない作品です。美しい作品です。ホルンとテノールが作り出す和音がきれいです。
 カール・コスマリーの「憧れ」は初登場かもしれません。ホルンの華やかな響きとテノールの歌がきれいです。カール・コスマリーの「漁師の娘」はロマンティックな作品。
 ヘンリー・ヒューゴ・ピアソンの「狩人の別れ」は狩のホルンが響きます。別れの歌ですが希望に満ちた歌のようです。
 シューベルトの「流れの上で」はテノール、ホルンとピアノのための作品では最も有名です。数多くの録音があります。ダルベレイがホルンで歌うシューベルトは表現力が豊かです。滑らかなホルンです。プレガルディエンの歌唱はすべてにおいて素晴らしいものです。


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