モーツァルト/ホルン協奏曲

4番/ヤコブ・スラフテル(1988)
CD(RCO 13006−88)

コンセルトヘボウ/ライヴ録音集
1.ウェーベルン/夏風の中で
2.モーツァルト/ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
3.ベートーベン/交響曲第3番変ホ長調Op55「英雄」

 ヤコブ・スラフテル(ホルン)(2)
 リッカルド・シャイー指揮(1)
 ニコラウス・アーノンクール指揮(2&3)
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 録音 1989年10月12日(1)
     1988年10月16日(2&3)
      ライヴ録音

 ロイヤル・コンセルトヘボウ125周年記念アルバム152枚の中の1枚です。
 アントン・ウェーベルンの「夏風の中で」は1904年の作品。「大管弦楽のための牧歌」の副題があります。穏やかな夏の雰囲気から嵐のような壮大な部分もあります。シャイーの指揮による素晴らしい演奏と作品です。
 モーツァルトのホルン協奏曲第4番はコンセルトヘボウの首席ホルン奏者ヤコブ・スラフテルがアーノンクールの指揮で演奏しています。スラフテルは1991年にモーツァルトのホルン協奏曲全集を録音しています。第1楽章の前奏の弾むような演奏が印象的です。スラフテルのホルンは明るく、軽いビヴラートをかけた大変素晴らしい演奏です。レガートの滑らかなホルンが素晴らしいです。カデンツァは長いもので重音奏法も使う見事な演奏です。第2楽章のロマンツァは美しい響きのホルンが流れます。レガートのきれいな演奏が聴かれます。第3楽章のロンドは軽快なホルンが響きます。ふくよかな響きで見事な演奏です。コーダ前でカデンツァの挿入はありません。
 ベートーベンの交響曲第3番「英雄」はアーノンクールの指揮でコンセルトヘボウが演奏しています。第1楽章冒頭のチェロに始まる主題のところでヴィオラの強調はアーノンクールらしいです。展開部からのティンパニは迫力があります。アーノンクールの読みの深さが伺えます。再現部の勢いのある演奏は素晴らしいです。第2楽章の葬送行進曲は荘重な演奏です。時にはティンパニが暴れますが、オーケストラの優しいアタックもまた見事です。第3楽章のスケルツォは勢いがあります。トリオのホルン三重奏は美しいです。第4楽章冒頭の重厚な響き、主題と10の変奏の鮮やかな演奏、勢いがあります。コーダの迫力のある響きは見事です。


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