モーツァルト/ホルン五重奏曲

シュテファン・カッテ(2019/20)
CD(Acentus music ACC 30540)

モーツァルト/室内楽作品集
1.クラリネット五重奏曲イ長調K581
2.J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集からの
   5つのフーガ K405
3.ホルン五重奏曲変ホ長調K407

 クレンケ四重奏団
 アンネグレート・クレンケ(ヴァイオリン)(1〜3)
 ベアーテ・ハルトマン(ヴァイオリン)(1&2)
     〃     (ヴィオラ)(3)
 イヴォンヌ・ウーレマン(ヴィオラ)(1〜3)
 ルート・カルテンホイザー(チェロ)(1〜3)
 ニコラ・ユルゲンセン(バセットクラリネット)(1)
 シュテファン・カッテ(ナチュラル・ホルン)(3)

 録音 2019/2020年
  バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジ

 ドイツの名カルテット、クレンケ四重奏団によるモーツァルトです。クレンケ四重奏団は1991年に結成された女性のみによる団体です。
 クラリネット五重奏曲を演奏するユルゲンセンはケルン放送響の首席クラリネット奏者です。第1楽章のアレグロは弦楽四重奏の緻密で緊張感のある演奏が素晴らしい演奏です。ユルゲンセンのバセットクラリネットはこれも素晴らしい演奏です。第2楽章のラルゲットはクラリネットの美しい響きが絶妙です。弦楽もさわやかな響きでクラリネットを引き立てています。第3楽章のメヌエットはクラリネットの美しさ、トリオの弦楽四重奏が素晴らしい演奏です。クラリネットの入らない弦楽四重奏だけのトリオはモーツァルトの作品の中でも傑作といえる素晴らしい部分です。クレンケ四重奏団の名演が光ります。第4楽章ではクラリネットの美しさもさることながら中間部のヴィオラが聴きどころです。後半のクラリネットも素晴らしい演奏です。
 J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集からの5つのフーガ K405はモーツァルトがバッハの平均律クラヴィア曲集から5つのフーガを選んで、弦楽四重奏用に編曲したものです。第1曲:BWV871、第2曲:BWV876、第3曲:BWV878、第4曲:BWV877、第5曲:BWV874となっています。モーツァルトが編曲したバッハとして貴重な作品です。それぞれ短い小品ですが、クレンケ四重奏団の演奏は素晴らしいものです。
 ホルン五重奏曲はシュテファン・カッテがナチュラルホルンで演奏しています。第1楽章はホルンが明るい響きで、ストップ音もきれいな演奏です。タンギングもきれいなもので素晴らしい演奏です。弦楽も緻密な演奏です。ヴァイオリンの美しい響きは印象的です。第2楽章のアンダンテはホルンの美しさが聞きものです。弦楽もモーツァルトの天国的な美しさがあります。第3楽章:ロンドの演奏もきれいな響きです。滑らかなホルンでハイトーンもよく響きます。短いカデンツァが入ります。大変素晴らしい演奏です。現代のナチュラルホルン演奏のお手本のような名演です。


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