1980〜1999年の演奏

トマス・ダウスゴー/スウェーデン室内管弦楽団(1999)
CD(SIMAX MPSC−1180)

1.ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調Op60
2.   〃   /序曲「コリオラン」Op62
3.   〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  6:36/8:39/4:39/11:00(30分54秒)
  (第1楽章、第4楽章リピート:ベーレンライター版)

  トマス・ダウスゴー指揮
   スウェーデン室内管弦楽団(
   録音 1999年1月&5月
    エーレブルー・コンサート・ホール

 ダウスゴーはベーレンライター版を使用してベートーヴェン交響曲や管弦楽曲を録音しています。
交響曲第4番は室内楽団らしい響きで管楽器の目立つ録音になっています。第1楽章は長い序奏のあとに提示部の厚い響きが素晴らしく、30数人のオーケストラとは思えません。第2楽章はやや速めのアダージョになっています。第3楽章は管楽器と弦の掛け合いの楽しさがあります。フィナーレは弦楽のうまさとフルートのフレーズが聞き所です。
 序曲「コリオラン」は悲劇的な音楽をよくまとめています。
 交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭で速めのテンポ。短いフェルマータで提示部を演奏しています。ホルンのファンファーレは良い響きです。展開部でもフェルマータとあとに間をおかずに進みます。管と弦のかけあいはきれいです。再現部のファゴットのファンファーレからコーダへの音の厚みは素晴らしい。ホルンも目立ちます。
 第2楽章は主題のあとに続く管楽器のフレーズが短めの8分音符でレガートではありません。面白いです。木管四重奏は流れるような演奏で大変きれいです。
 第3楽章は速めのテンポで序奏を流してホルンの主題がきます。フーガは見事なアンサンブルで全く乱れのない演奏です。後半のヴィオラの装飾音がよく聞こえています。
 フィナーレは冒頭の響きが厚いです。ホルンの主題もよく響いています。展開部の響きもよく、弦の運命のフレーズのリレーも鮮やかです。第3楽章の回帰は弱奏から一気に再現部になだれ込んでいます。コーダの和音からホルンの主題、ティンパニのクレッシェンドという流れが凄いです。ピッコロも目立ちます。プレストからの鮮やかな演奏、382〜385小節の弦の刻みははっきり聞こえます。最後まで緊張感に包まれた演奏でした。第4楽章のリピートがなければ28分44秒という速いテンポの演奏です。


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