モーツァルト/ホルン協奏曲

1&2番/サラ・ウィリス (2022)

CD(ALPHA-CLASSICS NYCX-10336)

モーツァルトとマンボ2
1.モーツァルト/ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
2.「キューバン・ダンス」〜ソロ・ホルン、
          弦楽合奏とパーカッションのための
 1)ガビロンド/ムニョス/タマリンド・ソン
 2)ロンビーダ/ダンソン・デ・ラ・メディアノーチェ
 3)アルバ・カール/シンプルなグァグァンコー
 4)アラゴン/サラのためのボレロ
 5)ロンビーダ/オリバ/サラチャ
 6)オリバ/サラのためのチャンギi
3.モーツァルト/ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
4.テレーサ・ベラ/アラゴン編/20年の歳月
5.エグエス/アラゴン編/エル・ボデゲーロ
6.オリヴェロ/パ・パ・パ(モーツァルトの歌劇「魔笛」
   〜パパゲーナとパパゲーノのデュエットによる)

 サラ・ウィリス(ホルン)
 カルロス・カルンガ(歌)(4)
 エンリケ・ラサガ(ギロ)(2-2)
 サラバンダ
  ユニエト・ロンビーダ(サクソフォン)
  ジャネル・ラスコン(ピアノ)
  レオ・A・ルナ(ベース)
  アレハンドロ・アギアル(カホン、マラカス)
  アデル・ゴンサレス(コンガ)
  エドゥアルド・ラモス(ティンバレス)
  アデル・ゴンサレス(パーカッション)
 ホセ・アントニオ・メンデス・パドロン指揮
  ハバナ・リセウム・オーケストラ
  録音 2022年1月&4月
  キューバ、オラトリオ・サン・フェリペ・ネリ教会

 ベルリン・フィルのホルン奏者サラ・ウィリスがキューバのミュージシャンたちと録音した「モーツァルトとマンボ」の第2弾です。モーツァルトのホルン協奏曲2曲とキューバの作曲家による最新の作品です。
 モーツァルトのホルン協奏曲第2番は第1楽章からサラ・ウィリスの豊かな響きのホルンが流れます。第2楽章のアンダンテは美しい主題を朗々とした響きで演奏しています。なお、録音はホルンが大きくなっています。第3楽章のロンドはオーケストラも快適な演奏です。フェルマータのあとに短いカデンツァが入ります。このモーツァルトはきれいな演奏です。
 「キューバン・ダンス」はソロ・ホルン、弦楽合奏とパーカッションのための協奏曲です。キューバの6人の作曲家に委嘱した作品です。
 第1楽章はペペ・ガビロンド(1989〜)とヤセル・ムニョス(1996〜)による作曲で「タマリンド・ソン」というもので「ソン」というキューバの伝統音楽をベースにしたホルン協奏曲です。打楽器のダンスのあとにホルンの楽しそうな主題が歌われます。サラ・ウィリスのホルンが見事です。サラ・バンダの演奏でピアノがきれいに響きます。
 第2楽章はユニエト・ロンビーダ(1989〜)の作曲で「ダンソン・デ・ラ・メディアノーチェ」というもので「ダンソン」という2拍子の舞曲を基調とした作品です。打楽器の活躍、そしてギロという民族楽器も使われます。サラ・ウィリスのホルンは楽しそうです。
 第3楽章はウィルマ・アルバ・カール(1988〜)の作曲で「シンプルなグァグァンコー」という作品です。ホルンのソロに始まります。グァグァンコーというのはルンバのバリエーションということです。ここでも打楽器が活躍します。
 第4楽章はホルヘ・アラゴン(1988〜)の作曲で「サラのためのボレロ」です。ピアノに始まり、弦楽が響くとホルンのソロが入ります。ラヴェルの作品とは全くイメージは違う作品です。
 第5楽章はユニエト・ロンビーダとエルネスト・オリバ(1988〜)による作曲で「サラチャ」です。サラのための「チャチャチャ」というダンス音楽です。ここには合唱が入ります。ホルンと共に歌います。まさにキューバ音楽の楽しさを感じます。
 第6楽章はエルネスト・オリバの作曲で「サラのためのチャンギ」です。チャンギとは、これもキューバもダンス音楽です。サラ・ウィリスのホルンは踊るように素晴らしい演奏です。
 モーツァルトのホルン協奏曲第1番はオーケストラの伴奏と共にサラ・ウィリスのホルンが美しい響きで演奏しています。第2楽章のロンドはジェスマイアー版によるお馴染みの演奏です。サラ・ウィリスのホルンは素晴らしい演奏です。
 マリーア・テレーサ・ベラ(1895〜1965)作曲ホルヘ・アラゴン編曲の「20年の歳月」はカルロス・カルンガの歌が入ります。そしてホルンが歌います。ホルンと共に歌う作品です。キューバの風景を彷彿させる音楽です。
 リチャード・エグエス(1924〜2006)作曲ホルヘ・アラゴン編曲の「エル・ボデゲーロ」は「食料雑貨屋の男」ということです。この作品は快適なテンポでホルンが歌います。オーケストラも楽しそうです。途中に合唱が入ります。「ココアを飲みなよ」のようです。後半のピアノが楽しそうです。
 エドガー・オリヴェロ(1985〜)の「パ・パ・パ」はモーツァルトの「魔笛」からパパゲーナとパパゲーノの二重唱を編曲した作品です。ホルンとサクソホンによる二重奏です。「モーツァルトとマンボ」のアルバムの最後を飾るにふさわしい作品です。素晴らしい演奏です。良いアルバムです。


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