2000年代の演奏

ヘルベルト・ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(2017)
DVD(Acentus Music ACC20411)

ベートーヴェン/作品集
1.ヴァイオリン、チェロとピアノのための
   三重奏協奏曲ハ長調Op56
2.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)

 イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)(1)
 ジャン=ギアン・ケラス (チェロ)(1)
 マルティン・ヘルムヒェン (ピアノ)(1)
 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
  ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
  録画 2017年1月12&13日
   ゲヴァントハウス・ライヴ

 ブロムシュテットがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を指揮したベートーヴェン演奏会のライヴ映像です。89歳のブロムシュテットの見事な指揮ぶりが見られます。
 ベートーヴェンのヴァイオリン、チェロとピアノのためのトリプルコンチェルトは、イザベル・ファウストのヴァイオリン、ジャン=ギアン・ケラスのチェロ、マルティン・ヘルムヒェンのピアノによる演奏です。第1楽章から素晴らしい演奏です。イザベル・ファウストの力強いヴァイオリン演奏が印象的です。第2楽章は冒頭からチェロのソロが美しい響きで聴かれます。やがてピアノとヴァイオリンが入ってきれいな響きが流れます。第3楽章はオーケストラも爽やかに始まって、やがて盛り上がってきます。トリオとオーケストラの見事な演奏です。大喝采でした。

 交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭は重厚な響きで、フェルマータはしっかり伸ばしています。ホルンのファンファーレは明るい響きがきれいです。ブロムシュテットの鋭いまなざしが凄いです。展開部は弦楽と管楽器のバランスのよい見事な演奏です。強弱をはっきりとさせたもので、ティンパニも良い響き、オーボエのカデンツァもきれいです。再現部のファンファーレはファゴットによる演奏です。コーダまでの力強い演奏は素晴らしいものです。フェルマータはたっぷり伸ばしています。終結も見事な演奏です。第2楽章は程よいテンポで主題を丁寧に歌っています。弦楽の美しさがあります。木管も良い響きです。第1変奏の美しい響き、全合奏の厚い響きと低弦の力強さ、第2変奏においても同様で、ファゴットとクラリネットの良い響きが聴かれます。木管四重奏の美しい響き、そしてクライマックスも聴きものです。木管の第3変奏もきれいな響きです。第4変奏のファゴットのきれいな響き、そしてコーダから終結は感動的な演奏です。第3楽章は序奏に続くホルンの力強い響きが素晴らしい。この楽章の厚い響き、フーガの力強い弦楽の演奏、低弦の力強さがあります。コーダまでの緊張感、木管の美しい響き、これが素晴らしい。フィナーレは冒頭の重厚な響き、ホルンと木管の良い響き、厚い響きは聴きものです。提示部のリピートがあります。ここではブロムシュテットの笑顔が見られます。展開部の響きの良さ、フルートのきれいな響き、トロンボーンの良い響き、第3楽章の回帰のクラリネットとオーボエの美しい響き、再現部の緻密な演奏と感動的な演奏が続きます。コーダの和音とホルンの主題、ピッコロの良い響きと素晴らしい演奏が聴きものです。プレストから終結までの圧倒的な演奏、最後のフェルマータもたっぷり伸ばして感動的です。これも大喝采で、スタンディングオベーションでした。


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