第七交響曲

オルフェウス室内管弦楽団(2010)

CD1(自主制作 OCO BEE001)
CD2(avex-classics AVCL-25811)

ベートーヴェン/交響曲集
.交響曲第5番ハ短調 Op67「運命」
  7:42/9:54/4:53/10:42
 (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)
2.交響曲第7番イ長調Op92

 オルフェウス室内管弦楽団
 録音 2012年10月11日(1)
     2010年12月4日(2)
     カーネギーホール・ライヴ

 これは指揮者なしのオルフェウス室内管弦楽団が録音したベートーヴェンの交響曲です。
 交響曲第5番「運命」の第1楽章は良いテンポで、弦楽の厚い響きは乱れのない見事な演奏です。ホルンのファンファーレも良い響き、提示部の第2主題はきれいに響きます。展開部では弦楽の美しさ、管楽器のレガートの美しさ、ホルンも良い響きです。オーボエのカデンツァは素晴らしい演奏です。再現部のファンファーレはファゴットがきれいに響きます。コーダまでの厚い響きは見事なものです。驚きの演奏です。第2楽章のアンダンテ・コン・モトはやや速めの演奏です。弦楽の主題の提示の美しさ、木管の美しい響きが素晴らしい。第1変奏と全合奏の響きの厚さにも驚きます。第2変奏ではファゴットとクラリネットの良い響き、まとまりの良さは凄いです。木管四重奏の美しい響き、続く全合奏はティンパニの響きも見事なものです。第3変奏は木管の美しい響きが楽しそうに聴かれます。第4変奏のファゴットがきれいに響きます。終結の全合奏は素晴らしい響きです。第3楽章は序奏に続くホルンの主題がきれいに響きます。フーガにおける弦楽の厚みのある演奏は驚きです。フーガのあとの低弦のフレーズも見事な演奏です。息がよく合っています。フィナーレまでの経過部の緊張感も素晴らしいです。ピツィカートも管楽器の響きも大変きれいです。フィナーレは堂々とした冒頭の演奏が素晴らしく、ホルンも良い響きです。弦楽の鮮やかな演奏は驚きです。提示部のリピートがあります。展開部もよい響きです。トロンボーンの響きが素晴らしい。第3楽章の回帰はオーボエの美しさが素晴らしい。再現部は整然とした演奏、そしてコーダのホルンの主題とピッコロの明るい響きが大変印象的です。プレストからの厚い響きも見事な演奏。フェルマータはしっかり伸ばしています。見事な演奏です。大喝采でした。

 交響曲第7番は第1楽章の冒頭ズシーンとくる和音がきれいです。遅めのテンポでオーボエのソロもまたきれいです。ホルンのゆったりとしたフレーズもきれいです。序奏はこの曲の重要な部分です。フルートとオーボエのソロが絶品の演奏を聞かせてくれます。提示部のフルートのソロから全合奏におけるホルンの響きが素晴らしい。ティンパニの響きもいいです。また弦楽セクションのうまさは抜群で、低弦の厚みは凄いです。この楽団の素晴らしさを感じます。展開部においてはこの作品の特徴、同じフレーズの繰り返しがあります。再現部の素晴らしい響き、ホルンの響きに続くコーダでは低弦のフレーズの連続が凄いです。終結のホルンの響きが素晴らしいです。第2楽章:アレグレットは引きずるような弦楽の足取りと続く対旋律の美しさが聴きどころです。管楽器が加わる全合奏は感動的です。中間部の管楽器の演奏は素晴らしいもので、ホルンもきれいです。終結も感動的です。第3楽章:スケルツォはプレストのリズムとトリオが交互にきますが、このトリオのメロディが単純で、そこに対旋律が入ることで凄い音楽になっています。ホルンの活躍があります。見事な演奏です。フィナーレは速いテンポで進みます。ホルンのハイトーンは迫力があります。この楽章は演奏はきつそうですが、オルフェウスはここも抜群の演奏を聞かせてくれます。展開部も迫力の演奏、再現部からコーダまでの素晴らしい響き、終結もホルンが感動的です。これも驚きの名演です。大喝采でした。
(CD1は2014年発売のアメリカ盤、CD2は2014年発売の国内盤)


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