2000年代の演奏

テオドール・クルレンツィス/ムジカエテルナ(2018)
CD(Sony 19075884972)

ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   (第1、第4楽章リピート:原典版)
   6:34/8:34/4:40/10:25

 テオドール・クルレンツィス指揮
  ムジカエテルナ
 録音 2018年7月31日〜8月4日
   ウィーン・コンツェルトハウス

 テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナによるベートーヴェンです。
 交響曲第5番「運命」の第1楽章はピリオド奏法による冒頭の演奏はフェルマータをしっかりと伸ばしています。ホルンのファンファーレもきれいに響きます。盛り上げ方のうまさ、メリハリのある演奏は見事なものです。展開部冒頭のホルンもきれいです。ここもメリハリをつけた注目の演奏です。オーボエのカデンツァはきれいです。再現部のファゴットのファンファーレは大変よい響きです。そしてオーケストラの厚い響き、コーダまでの盛り上げ方、終結も感動的です。
 第2楽章はやや速めのテンポで歌います。全合奏は重厚な響きです。第1変奏は弦楽の良い響きが流れます。木管の響きもきれいです。経過部の弦の歯切れ良い演奏も素晴らしいです。第2変奏はクラリネットとファゴットの合いの手がきれいに響きます。全合奏も素晴らしいです。木管四重奏は大変きれいな演奏です。全合奏も迫力あります。木管の第3変奏は音を短く切った演奏ですが流麗な演奏です。第4変奏のファゴットがよい響きを出しています。コーダも圧倒的な素晴らしい響きです。
 第3楽章の序奏はリタルダンドのあとのホルンの主題はよい響きです。弦楽も流麗な演奏です。フーガは弦楽器の勢いのある演奏で緊張感があります。後半の弱奏部分は弦楽のきれいな演奏です。
 フィナーレの演奏は厚みのある響きの冒頭は見事です。頭を強調する見事な演奏は聞く者を圧倒します。提示部のリピートがあります。管と弦のバランスの良さ、ティンパニの圧倒的な響きがあります。展開部ではトロンボーンもよい響きを出しています。第3楽章の回帰は木管が大変きれいです。再現部は厚い響きが見事です。コーダの和音、ファゴット、ホルンと続く主題とピッコロの響きがきれいです。プレストから終結までの息をもつかせない演奏は見事で、最後のフェルマータまで圧倒的な響きの演奏です。これは名演です。


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