第七交響曲

外山 雄三/大阪交響楽団(2017)
CD(大阪交響楽団 KKC-2704/9)全集

ベートーヴェン/交響曲全集
CD4
1.交響曲第5番ハ短調Op67「運命
  (第1楽章リピート:原典版)
2.交響曲第7番イ長調Op92
CD5
3.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」

  外山 雄三指揮
   大阪交響楽団
  録音 2018年11月21日(1)
      2017年7月5日(2&3)
   大阪、いずみホール・ライヴ

 外山雄三が大阪交響楽団を指揮したベートーヴェンの交響曲全集の中の2枚です。
 交響曲第5番「運命」は程よいテンポの第1楽章は冒頭からきれいな演奏で、フェルマータもたっぷり伸ばしています。提示部から重厚な演奏をきかせています。ホルンのファンファーレは大変良い響きです。展開部では弦楽と管の見事な交錯があります。程よいテンポで厚みもありレガート気味の演奏です。オーボエのカデンツァはきれいな演奏です。再現部のファンファーレはファゴットで吹いています。コーダへの経過部の響きは厚みがあって迫力があります。コーダは圧倒的で切れ目なく終結します。見事な演奏です。第2楽章は程よいテンポで表情豊かに歌う主題がきれいです。また木管が大変きれいに響いています。低弦も良い響きです。金管をたっぷり響かせる外山の指揮は見事です。第1変奏の上に木管が美しい響きを出してくれます。第2変奏も素晴らしい演奏でファゴットとクラリネットが良い響きです。木管四重奏は流麗で大変よく響きます。そのあとのクライマックスは重厚な響きです。第3変奏の木管の響きは素晴らしいです。そのあとの演奏も重厚です。第4変奏のファゴットからコーダまでも見事な演奏です。終結は素晴らしい響きです。第3楽章は序奏で絶妙なリタルダンドとホルンの主題がきれいです。フーガは遅めのテンポで低弦の厚みと見事な演奏が素晴らしい。後半の低弦のうまさ、フィナーレまでの経過部のきれいな演奏、ティンパニと弦楽も良い響きです。フィナーレは重厚な響きが冒頭で聞かれます。ホルンと木管の主題も厚みがあります。金管も良い響きです。展開部では弦楽のうまさ、管楽器の響きが素晴らしい。トロンボーンは良い響きです。遅めのテンポの演奏は内声部もよく聞こえます。第3楽章の回想もきれいです。クラリネットやオーボエが素晴らしい響きです。再現部は素晴らしい盛り上がりをみせます。金管は良い響きです。コーダの和音の連続、ホルンの主題がきれいです。ピッコロも良く響きます。プレストからの緊張感は見事で息をもつかせぬ圧倒的な演奏です。最後のフェルマータが長いです。遅めのテンポでしたが、これは素晴らしい演奏です。ブラボーでした。

 交響曲第7番は冒頭の厚みのある響きが素晴らしい。序奏の弦楽の刻みと管楽器の響きがこの作品の聴きどころですが、見事な演奏です。勢いがあります。提示部のフルートから全合奏の見事な演奏、ホルンとティンパニの厚い響きはききものです。展開部のホルンの強奏、全合奏の厚い響き、これぞ第7番の素晴らしさです。再現部のオーボエも美しい。木管の響きもきれいです。コーダの低弦のフレーズの連続、終結のホルンの叫びと見事です。第2楽章のアレグレットは弦楽の主題と対旋律の見事な調和が聴きどころ。うねるような弦楽が素晴らしい。管楽器の強奏も見事な響きです。中間部の木管、ホルンも良い響き、コーダの演奏もまた素晴らしい。第3楽章はスケルツォ、軽快なテンポで勢いがあります。管楽器の響きは見事で、トリオの美しい響き、第2ホルンの頑張り、このスケルツォも素晴らしい。第4楽章は冒頭から緊張感のある演奏、ホルンの豊かな響きはこのフィナーレの聴きどころ、展開部では低弦の厚みのある響きが素晴らしい。再現部の厚い響きとホルンの良い響き、整然とした演奏、コーダの圧倒的な演奏には感動でした。味わい深いベートーヴェンの第七です。  

 交響曲第6番「田園」は第1楽章は良いテンポです。主題はきれいに演奏しています。木管の響きはやわらかで美しいです。ホルンも大変きれいな響きです。バランスのよいオーケストラです。提示部のリピートはありません。展開部の主題の連続はきれいで楽しい演奏です。再現部はバランスの良い演奏で素晴らしい響きです。弦楽やホルンがきれいに響きます。コーダのクラリネット、フルートへの流れも大変きれいな演奏です。第2楽章「小川のほとりの情景」はやや速めのテンポで進みます。流れの速い小川のようです。弦楽がきれいに歌います。クラリネットとファゴットの主題も大変きれいです。中間部のオーボエやフルートが小鳥の鳴き声のように響きます。コーダの夜うぐいす、うずら、カッコーの演奏は大変良い響きの演奏です。第3楽章の「田舎の人々の楽しい集い」はきれいな演奏で、ホルンの和音もよく響きます。オーボエ、クラリネット、ホルンと続く主題の流れもきれいな演奏です。スケルツォのリピートはありません。第4楽章「嵐と雷雨」では序奏のきれいなこと、そしてティンパニの強打、豪雨の表現が見事です。これはティンパニの重厚な音も理想的です。雷雨の部分も見事な響きです。コーダの遠雷からヴァイオリンのきらめき、オーボエの響きがきれいです。第5楽章の「嵐のあとの感謝の気持ち」はクラリネットに続くホルンの美しい響きが素晴らしいです。そして「牧人の歌」は喜びにあふれています。ホルンの角笛や主題の変奏もよい響きになって素晴らしい演奏です。コーダはミュート・ホルンのソロがきれいに響きます。これは素晴らしい演奏です。


トップへ
戻る
前へ
次へ