2000年代の演奏

アンサンブル1800ベルリン(2022)

CD(MDG MDG 927 2276-6)

ベートーヴェン/フンメル編
1.交響曲第2番ニ長調Op36
2.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   (第1楽章、第4楽章リピート)

 アンサンブル1800ベルリン
 アンドレア・クリッツィング(フラウト・トラヴェルソ)
 トーマス・クレッチマー(ヴァイオリン)
 パトリック・ゼペック(チェロ)
 ルーカス・ブロンディール(フォルテピアノ)
 録音 2022年9月6〜8日

 ベートーヴェンの交響曲をフンメルが室内楽用に編曲した版を、アンサンブル1800ベルリンがオリジナル楽器で演奏しています。ピアノ・トリオにフラウト・トラヴェルソが加わったものです。
 交響曲第2番ニ長調は第1楽章の力強い冒頭の響き、ピアノの力強い響きとフルートのきれいな響きが素晴らしいです。主部の勢いのある演奏も見事です。ただ、弦楽の響きが弱いですが、後半には聞こえてきます。弦楽のパートをピアノが演奏していますので目立たないようです。フルートはきれいな響きです。第2楽章はピアノのあとにフルートと弦楽が歌い始めます。華やかなピアノと一緒にチェロとフルートがよく響きます。ヴァイオリンも聞こえてきます。この楽章は主題がきれいです。第3楽章のスケルツォはピアノが華やかな響きになります。ここでもフルートはきれいな響きです。チェロも良い響きです。トリオではヴァイオリンも良い響きです。第4楽章のアレグロ・モルトは、ピアノの響きが素晴らしいものです。フルートは華麗な響きが聞こえます。チェロの主題もきれいな響きです。中間部では4つの楽器が良い響きです。後半はフルートが華麗な響きで見事な演奏です。

 交響曲第5番ハ短調「運命」は第1楽章は良いテンポで、聴きやすい演奏です。提示部のホルンのファンファーレ部分はピアノとチェロで演奏しています。展開部のオーボエカデンツァはピアノが演奏しています。再現部はフルートと弦楽がピアノと共に迫力があって素晴らしいものです。第2楽章はピアノとチェロで始まります。クライマックスはフルートがピアノ・トリオと共に素晴らしい響きがあります。変奏曲はチェロとピアノのきれいな響きが素晴らしいものです。第2変奏では木管の部分をフルートが演奏しています。木管四重奏の部分はピアノとフルートが演奏しています。クライマックスは全体の厚い響きが素晴らしいです。第3変奏も全体で演奏しています。4つの楽器ですから丁度です。第4変奏はピアノとフルートがきれいに演奏しています。終結は良い響きです。第3楽章の序奏はピアノと弦楽に始まり、ホルンの部分はピアノが力強い演奏です。それからフルートが良い響きで素晴らしい演奏です。フーガの部分はピアノで始まり、やがて全体になります。これも素晴らしいです。フィナーレまでの経過部分のきれいな響きは見事なものです。フィナーレの冒頭はフルートとピアノ・トリオの素晴らしい響きが聴かれます。ピアノの厚い響きが素晴らしいです。フルートも良い響きです。提示部のリピートがあります。チェロの響きが素晴らしいです。展開部の華やかな響きも見事です。第3楽章の回帰はオーボエのソロ部分をフルートが演奏しています。再現部の厚い響きも見事です。コーダ前のホルンの主題はピアノとチェロで演奏しています。ピッコロの部分はピアノのきらめきで、実に素晴らしい演奏です。コーダの迫力は見事です。これは素晴らしい演奏です。


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