1960〜1979年の演奏


ズビン・メータ/ニュ−ヨーク・フィルハーモニック(1978)
LP(CBS SONY 28AC1403)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
           (第1楽章リピート:原典版) 
2.    〃   /交響曲第8番ヘ長調Op93

  ズビン・メータ指揮
   ニュ−ヨーク・フィルハーモニック
   録音 1978年11月18日
      エヴリー・フィッシャー・ホール

 ズビン・メータのベートーヴェンです。メータがニューヨーク・フィルの音楽監督に就任して間もない頃の録音です。メータのベートーヴェンはこのあとには1980年の英雄、1983年の第九があります。
 交響曲第5番「運命」は速いテンポでぐいぐい進む第1楽章が素晴らしく、ホールの響きのよさもあって感動的な演奏です。展開部はレガート奏法による流麗な演奏で弦楽と管楽器の掛け合いもきれいです。再現部のファンファーレはファゴットで原典版によります。終結までの圧倒的な響きは見事です。第2楽章は主題の歌い方が丁寧で大変きれいです。また管楽器の強奏も大変よく響きます。木管四重奏は美しい響きが素晴らしいです。第3楽章は序奏のリタルダンドのあとのホルンが明るい響きで主題を歌います。フーガは弦楽の厚みのある響きが凄いです。フィナーレ冒頭は重厚な響きで圧倒されます。バランスの良い響きです。提示部では第2主題の歌い方が印象的です。展開部では木管楽器の美しい響きがあります。第3楽章の回想ではオーボエの哀愁的な響きがきれいです。再現部からの厚みのある響き、第2主題の力みのない演奏、コーダの和音、そしてホルンの主題のやわらかな響きと素晴らしい演奏です。プレストから終結は圧倒的な響きです。
 交響曲第8番はやわらかな響きの冒頭、そしてレガートによるきれいな主題がたまりません。第2楽章のスケルツァンドではリズムにのって歯切れ良い演奏そして内声部の充実した響きがあります。第3楽章はきれいなメヌエットでトリオのホルン二重奏が大変きれいです。負けじとクラリネットが入ります。フィナーレのメリハリのある演奏もまた素晴らしい。スタッカートが生き生きしています。フルートなどの木管楽器の響きがきれいです。


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