1950年代の演奏

ウィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1954)









CD1(EMI TOCE8170/71)8:28/11:11/6:00/9:33
CD2(EMI TOCE-3722) 8:34/11:18/6:03/9:41
CD3(EMI TOCE-8439) 8:30/11:15/6:02/9:40
CD4(EMI TOCE-9508/12) 8:34/11:18/6:03/9:41
CD5(OTAKEN TKC-311)8:30/11:15/6:03/9:40
CD6(OTAKEN TKC-375)8:27/11:08/5:59/9:31
CD7(WANER 0190295975098)全集
           8:31/11:15/6:03/9:40
LP1(EMI AA93003B) 8:28/11:11/6:00/9:33
LP2(EMI EAC47240-46) 8:31/11:18/6:03/9:41
LP3(EMI WF5001)    8:30/11:15/6:03/9:41

ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

 ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
   ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(
   録音 1954年2月28日&3月1日 
      ムジーク・フェライン・ザール

 この録音はフルトヴェングラーが指揮したウィーン・フィル唯一のスタジオ録音でした。ライヴで燃えるフルトヴェングラーですが、腰を据えての録音はどっしりとした構築の運命ができあがっています。LP時代は東芝レコードが売り物にしていた名盤です。廉価盤にはなりませんでした。CD1はステレオ(ブライトクランク)でこちらの方がCD2(モノラル)よりも豊かな響きで聴かれます。CD3は1994年発売のEMI。CD4は1997年発売の全集。CD5は2007年のOTAKENリマスターで深みのある新鮮な音が聴かれます。CD6はOTAKENのワイド・ブライトクランク復刻で広がりが大きくまるでステレオ録音のようです。CD7は2016年発売のWANER盤全集。LP1はステレオ(ブライトクランク)です。演奏時間がCD1と同じです。ステレオ処理の時にオリジナルより少しピッチが上がったようです。LP2はモノラルの全集、LP3はLP時代末期にCDと同時発売された高音質のLPで低音に深みがあります。

 交響曲第5番の第1楽章は冒頭から感動的な響きがあります。ムジークフェラインの最高の響きが豊かな音を出してくれます。重厚な響きとはこういう音だと思って聴いていました(若い時に聴いていた大きなスピーカーは凄かったです)。ウィンナホルンの豊かな響き、味のあるウラッハのクラリネットがたまりません。展開部の弦と管の対話などは素晴らしいです。この演奏は弦のレガート奏法が美しい響きの源でしょう。コーダのフェルマータのあとの間はほとんどおきませんでした。
 第2楽章はいよいよウィーン・フィルの管楽器の響きが冴え渡ります。ピアニシモの美しさが有名なフルトヴェングラーならではの盛り上がりがあります。木管四重奏の美しさは最大の聞き所です。この楽章でもテンポはほとんど動かさずに演奏しています。
 第3楽章は遅いテンポですが、しっかりとした足取りで進みます。ホルンのテーマも力強く響きます。フーガは大変素晴らしい演奏です。低弦の力強さが見事でした。コーダの緊張感はさすがにいいです。
 第4楽章はゆったりとそして堂々とした響きで始まります。各楽器が鮮明に聞こえます。展開部から第3楽章の回想も見事です。再現部も豊に響きます。コーダのホルンのテーマが美しいです。ところがプレストに入ってもイン・テンポで終わってしまうという、いわば最もフルトヴェングラーらしくない演奏でした。
 フルトヴェングラーのコーダはテンポを速くして最後に落とすというのが常でしたが、ここは聴衆のいないホールで一度はイン・テンポでやってみたかったのかなと思います。いずれにしてもこれは興奮させる演奏ではありませんが、ウィーン・フィルの運命としては忘れられない名演でしょう。


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