1980〜1999年の演奏

クラウス・テンシュテット/キール・フィルハーモニー管弦楽団(1980)
CD(WEITBLICK SSS0056-2)

1.ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調Op21
2.   〃    /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
          (第1楽章リピート:原典版)
3.   〃    /「エグモント」序曲Op84

  クラウス・テンシュテット指揮
   メクレンブルク・シュターツカペレ(1) 
   キール・フィルハーモニー管弦楽団(2&3)
 録音 1968年8月18&19日(1)
     1980年3月20日ライヴ(2&3)

 テンシュテットが東ドイツ時代にスタジオ録音したベートーヴェンの1番と西側に亡命して最初のポスト、キール歌劇場のオーケストラと録音した「運命」と「エグモント」です。
 交響曲第1番は抑えのきいた響きが素晴らしい第1楽章、弦の主題がきれいな第2楽章、リズムをはっきりさせた第3楽章など感心させられます。
 交響曲第5番「運命」は大変気迫に満ちた演奏です。第1楽章冒頭の速いテンポ、迫力十分のホルンと申し分ありません。低弦の厚みも素晴らしい。展開部の弦楽器は迫力十分です。ティンパニの強打も凄いです。オーボエのカデンツァではフェルマータのあとに区切りを入れています。再現部のファゴットのファンファーレ、コーダまでの迫力ある演奏は素晴らしい。第2楽章の主題は透明感のある弦楽の演奏が素晴らしいものです。低弦の強調も凄いです。第3楽章のホルンの主題は力強く圧倒的な響きを出しています。フーガの演奏も抜群です。特にチェロとコントラバスの音は凄いです。フィナーレは厚みのある圧倒的な響きが素晴らしく、ティンパニの強打が目立ちます。ホルンと木管の主題も厚みのある響きです。展開部の管楽器もきれいです。第3楽章の回想から再現部も圧倒的な盛り上がりです。コーダのホルンの主題、フルートからピッコロへの見事な流れは素晴らしい。そしてプレストから終結まで息をもつかせない圧倒的な演奏です。
 「エグモント」序曲は序奏の弦楽が厚みのある響きで圧倒します。管楽器が加わると一層重厚な響きが素晴らしい。帯の解説(壮絶なライヴ演奏)にいつわりのないことは間違いありません。


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