1940年代の演奏

パウル・ファン・ケンペン/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
CD(BERLIN Classics 0090722BC)

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
    7:18/10:46/5:32/8:34
   (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

 パウル・ファン・ケンペン指揮
  ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
   録音 1940年頃

 ケンペンはベートーヴェンを得意としていました。ベルリン・フィルと録音した英雄、第7、第8は名盤です。この録音の原盤はドイツ・グラモフォンでした。
  交響曲第5番の演奏は速いテンポの第1楽章が見事です。第2主題で若干テンポを落としてテンポアップしていきます。ポルタメントはありません。展開部もエネルギッシュで素晴らしい響きを作っています。第2楽章は遅めのテンポで流麗な演奏です。堅い第1楽章と柔らかい第2楽章の対比は見事です。
 第3楽章の序奏のあとのホルンの強奏が素晴らしく、フーガのアンサンブルも抜群です。勢いがあります。第4楽章は重厚な響きではじまります。第2主題は流麗です。展開部のテンポが若干遅いのはSP録音のときの微妙な違いかもしれません。コーダは一気にすすんでおり、集結でテンポの変化はありません。
 ケンペンはトスカニーニを意識したかのような、ほぼインテンポの演奏でした。しかしながら充実した音楽があります。


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