1940年代の演奏
オイゲン・ヨッフム/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1945) |
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CD(TAHRA TAH229)
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
7:59/11:28/5:36/8:22
(第1楽章リピート:ヨッフム版)
オイゲン・ヨッフム指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(
録音 1945年1月12日
この録音はドイツ放送の放送録音でした。大戦末期のことで大変政情不安の時期にベルリン・フィルを指揮したこの演奏は大変貴重な録音です。
交響曲第5番の第1楽章は冒頭フルトヴェングラーのような重厚な響きで始まります。長いフェルマータです。ホルンのファンファーレは力強く響きます。第2主題はほとんどテンポの変化はありません。展開部は管と弦の対話ではその弱奏がきれいです。再現部のファゴットのファンファーレはホルンを重ねています。それからコーダまでのテンポアップが実にスリリングです。テーマの強調はテンポを落としてしっかりやっていました。
第2楽章の主題の演奏はゆったりと美しく素晴らしいものです。経過部の低弦の強調は見事。第1変奏もきれいです。全合奏の響きには圧倒されます。第2変奏も見事、木管四重奏もきれいです。第3変奏の木管の8分音符は長めでした。この楽章ではメンゲルベルクと同様に最後の245、246小節で木管のフレーズにホルンを重ねて強調しています。
第3楽章は序奏でゆったりとリタルダンドをかけてからホルンの主題が明るく響きます。経過部は明るい響きの演奏でフーガは軽快な演奏です。アンサンブルは文句なしです。フィナーレまでのクレッシェンドは凄いです。
第4楽章は厚みのある冒頭が圧倒的です。音がひずむほどの音量でした。ホルンのファンファーレも圧倒的な響きでした。展開部も素晴らしく、第3楽章の回帰から再現部までは緊張感に満ちています。再現部も厚みのある圧倒的な演奏、コーダのホルンの主題からが見事な盛り上がりを見せます。プレストから最後までほとんどテンポの変化はありませんが圧倒的な終わり方でした。
フルトヴェングラー時代のベルリン・フィルからヨッフムの求める音楽を見事に引き出した名演です。 |
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