2000年代の演奏

ゲルト・アルブレヒト/読売日本交響楽団(2000)
CD(EXTON KJCL−00015)

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」 
   7:10/10:45/4:56/8:32
   (第1楽章リピート:原典版)  

  ゲルト・アルブレヒト/読売日本交響楽団
  録音 2000年1月16&17日

 ゲルト・アルブレヒトと読売日本交響楽団によるベートーヴェンの交響曲全集の中の1枚です。
 交響曲第5番の第1楽章は速いテンポの提示部で、短いフェルマータにびっくりします。展開部は大変均整のとれたアンサンブルです。ティンパニが効果的でした。再現部のファンファーレはファゴットです。太田区民ホール・アプリコの素晴らしい残響によって見事な響きのが楽章でした。
 第2楽章は弦楽器の美しさが印象的です。勿論管楽器の美しさも見事で、透明感のあるクラリネットやフルートは特筆ものでしょう。第3楽章の序奏もリタルダンドはそこそこ、短いフェルマータで始まります。主題は厚みのある見事な響きです。フーガは見事なアンサンブルでした。経過部のティンパニの強打には驚きました。
 第4楽章は直前のクレッシェンドからハッとさせられました。提示部は打楽器の活躍で重厚な響きです。ホルンと管のファンファーレは見事でした。まさに怒濤の展開部は圧倒的です。再現部になると、ますます充実した響きと、一糸乱れぬアンサンブルに引き込まれます。コーダにおけるホルンの主題は美しい限りです。プレストから結尾も圧倒的でした。短い最後のフェルマータでしたが、ティンパニの鮮やかな響きが最高でした。 
 名プレーヤーが集結している読響ならではの見事な名演です。気分爽快になります。


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