シューマン/アダージョとアレグロ

バリー・タックウェル(1974)



LP(ロンドン SLA−6175)
CD1(DECCA 433 695−2)
CD2(LONDON POCL-9669)
CD3(DECCA UCCD-3868)
LP
1.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ へ長調Op17
2.シューマン/アダージョとアレグロ変イ長調Op7
3.ダンツィ/ホルン・ソナタ第1番変ホ長調Op28
4.サン=サーンス/ロマンスOp67
  バリー・タックウェル(ホルン)
  ウラディミール・アシュケナージ(ピアノ)
      録音 1974年1月、3月&12月
CD1&2 
1.フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ長調
2.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
3.シューマン/アダージョとアレグロ
4.サン=サーンス/ロマンスOp67
  バリー・タックウェル(ホルン)(2〜4)
 イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)(1&2)ラディミール・アシュケナージ(ピアノ)(1〜4)
   録音 1968年10月(1&2)
       1974年1月、3月&12月(3&4)
CD3
1.ブラームス/ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op83
2.シューマン/序奏とアレグロ ニ短調Op134
3.  〃  /アダージョとアレグロOp70
   ウラディミール・アシュケナージ(ピアノ)(1〜3)
   バリー・タックウェル(ホルン)(3)
   ズビン・メータ指揮(1)
   ユリ・シーガル指揮(2)
    ロンドン交響楽団(1&2)
    録音 1967年1月(1)
        1977年6月(2)
        1974年12月(3)

 タックウェルとアシュケナージという夢の組み合わせでのソロ・アルバムでした。1976年12月の発売。ダンツィは同じ1974年にベドルジヒ・ティルシャルが録音していました。
 ベートーヴェンのソナタはタックウェルのまろやかな音色で独自の音楽を作り上げています。サン=サーンスのロマンスは作品36の方が有名ですが、この作品67も魅力的な作品です。
 CD1とCD2にはフランクとブラームスの余白にシューマンとサン=サーンスが収録されています。
 CD3はアシュケナージが若いときにデッカに録音したブラームスの2番と70年代に録音したシューマンです。ブラームスのピアノ協奏曲第2番は4つの楽章からなる大曲ですが、冒頭はホルンソロに始まるのでホルン奏者の腕の見せ所でもあり全体を左右する重要なポイントになります。この1967年のロンドン交響楽団の首席はタックウェルでした。このタックェルのホルンソロはゆったりと歌いあげた感動的なものです。ピアノ・ソロのあとに下降するホルンのフレーズは間をおいた実に感動的なもので、たくさんあるこの録音の中でも特に印象に残るものです。
 「アダージョとアレグロ」はタックウェル唯一の録音で、タックウェル独特のイントネーションと音色で歌い上げる演奏はまた格別です。冒頭からクレッシェンドしてくるアダージョの響きはなんともいえません。ホルンの音にコクがあるのが不思議です。アレグロの演奏においても楽譜の奥にある音楽を見事に表現しており、アシュケナージと共に作り出す音楽は超一流です。


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