1960〜1979年の演奏


レオポルド・ハーガー/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団(1970)
CD(VENUS TKCZ−79214)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (6:17/11:00/5:39/9:02)
    (リピート無し:原典版)
2.グルック/歌劇「アルチェステ」序曲
3.  〃 /歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲

  レオポルド・ハーガー指揮
  ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
   録音 1970〜71年

 レオポルド・ハーガーは1962年リンツ国立歌劇場のオペラ指揮者としてデビュー、1969年からザルツブルク国立歌劇場とザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者に就任しており、この録音はそのころのものです。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は冒頭の主題をゆったりと強調、フェルマータも長く演奏しています。主部は遅くはありません。ホルンのファンファーレもきれいです。提示部のリピートはありません。展開部は主題の強調、そして弦と管の対話と良い流れです。オーボエのカデンツァはきれいです。再現部のファゴットのファンファーレはファゴットで吹いています。コーダの主題の強調等、この時代の特徴的な演奏といえます。第2楽章のゆったりとしたテンポ、弦楽の美しさ、木管四重奏の美しい響きとモーツァルテウムの響きは素晴らしいです。第3楽章のやや遅いテンポの演奏は主題の強調でもあり、大変好ましいものです。フーガの演奏も流麗です。フィナーレの冒頭は弦と管のバランスが良いのでちょっと普通とは違う響きでした。展開部の響きはきれいです。第3楽章の回想の静寂もたまりません。再現部も良い響きで、コーダのホルンの主題、フルート、ピッコロの流れも素晴らしく、プレスト前のアッチェルランド、382小節から385小節のヴァイオリンとヴィオラのりズムの刻みの鮮やかなこと、見事な演奏でした。
 「アルチェステ」と「アウリスのイフィゲニア」序曲はグルックの代表作です。アウリスのイフィゲニア」序曲はよく演奏されますが弦楽の大変きれいな響きにひかれます。


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