1980〜1999年の演奏

山田 一雄/札幌交響楽団(1990)
CD(FANDANGO 25NW-3005)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
    (8:22/10:53/5:40/9:07)
      (第1楽章リピート:原典版)
2.   〃   /交響曲第2番ニ長調Op36

  山田一雄指揮 札幌交響楽団
    録音 1990年2月22日
    北海道厚生年金会館ライヴ

 山田一雄は札幌交響楽団の定期演奏会でベートーヴェンの交響曲全曲を演奏する予定でしたが、残念ながら第1番を残して亡くなりました。このアルバムはその中の1枚です。題字をヤマカズさんが書くというユニークなCDです。
 交響曲第5番「運命」の第1楽章はヤマカズさんが白髪を振りながら指揮する様子が目に浮かぶような流麗な演奏です。展開部の弦と管の交錯が面白いほど音の交錯があります。オーボエのカデンツァは目立ちます。再現部のファゴットのファンファーレはファゴットで演奏しています。コーダの運命の主題の強調、フェルマータも長いです。第2楽章は遅めのテンポで主題の歌い方がきれいです。管楽器の響きも素晴らしい。第3楽章のほどよいテンポとリタルダンド、ホルンの主題もきれいです。フーガはテヌートで音を大切にしながら見事なアンサンブルになっています。フィナーレ冒頭の重厚な響きには圧倒されそうです。展開部の管楽器がきれいです。第3楽章の回帰はオーボエが美しいです。コーダは和音の連続、ホルンの主題と緊張感のある演奏です。結尾の和音の連続は暴れるような音の連続で、最後のフェルマータの前に一息間を入れて感動を呼びます。
 交響曲第2番の序奏から提示部は流れるような演奏が素晴らしい。第2楽章の歌い方もまたきれいです。スケルツォはやや遅めのテンポで味わい深い演奏が聞き物。フィナーレの煌めく響きはまた感動的です。


トップへ
戻る
前へ
次へ