2000年代の演奏

樋口 隆一/明治学院バッハ・アカデミー合奏団(2005)
CD(MEIJI GAKUIN BAMG−0010)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  7:51/9:56/5:30/11:20(34分37秒)
  (第1楽章、第4楽章リピート:ベーレンライター版) 
2.ベートーヴェン/交響曲第8番へ長調Op93

   樋口 隆一指揮
   明治学院バッハ・アカデミー合奏団
   録音 2005年3月25日(1)
       2004年12月11日(2) 
     東京白金台/明治学院チャペル

 明治学院バッハ・アカデミー合奏団は2000年に創設されたの古楽器オーケストラです。小編成のオーケストラの響きは面白いです。楽譜はデル・マール校訂によるベーレンライター版。
 交響曲第5番「運命」の第1楽章はテンポとしては速いほうではありません。むしろ遅いです。古楽器の響きを重視したフレーズのわかりやすい演奏です。ナチュラルホルンとバロック・オーボエの響きがたまりません。展開部冒頭のホルンがいい音出しています。カデンツァのオーボエがチャーミングです。フェルマータのあとに区切りを入れています。フェルマータからのスラーにしないところが大きな特徴です。
  第2楽章のテーマの響き、管楽器と弦楽器のバランスの面白さは小編成だけに斬新です。木管四重奏のフラウト・トラヴェルソの音が大変印象的でした。第3楽章の序奏の美しさ、ホルンのテーマはゲシュトップの音がたまりません。フィナーレは重厚な響きがよく出ています。提示部のリピートがあります。展開部でも良い響きになっています。コーダのホルン主題からプレストも十分な響きを出しています。
 交響曲第8番は編成が少なくて弦楽は5,5,3,3,2です。管楽器の響きが目立つ演奏です。第2楽章も管楽器の音が大きく響きます。第3楽章ではナチュラルホルンの二重奏が聴かれますが、バロッククラリネットの響きがやわらかで大変良い響きになりました。大変きれいな演奏です。フィナーレも良い響きになっています。 


トップへ
戻る
前へ
次へ