1980〜1999年の演奏

ベーラ・ドラホシュ/ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア(1995)
CD(NAXOS 8.553476)

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
 7:09/9:14/8:33/10:34
 (第1楽章、第3楽章、第4楽章リピート:ギュルケ版)

  ベーラ・ドラホシュ指揮
   ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
   録音 1995年6月9〜16日

 ドラホシュの交響曲第5番はギュルケ版を使用していながら第3楽章のリピートを独自の解釈で演奏していました。よく聴いていないとわかりませんが、なんと239小節でダルセーニョ、そして4小節に戻るのです。びっくりしました。これは今のところ他に聞かれないものです。
 室内楽団の響きはそれほど大きくはありませんが、第1楽章は重厚な音を出しています。ホルンのファンファーレもよく響いています。再現部もいい演奏でした。運命の動機は強調していません。
 第2楽章は室内楽団らしいアンサンブルを聴かせていました。弦がきれいです。演奏は淡々としたもので、聴いていて疲れません。第3変奏では木管のメロディーのスタッカートを強調せず、柔らかに演奏しているのは好ましいことです。
 第3楽章も良い響きです。ホルンは明るく強奏することもなく、おとなしいですがよくまとまっていました。トリオのフーガは迫力こそありませんが見事に演奏していました。
 第4楽章はよく響かせていますが、管楽器の響きが大きくなるのはこのオーケストラの編成では仕方のないことでしょう。リピートがいいですね。ベートーヴェン時代の編成はこのくらいだったのでしょう。演奏は見事です。廉価盤のシリーズにはもったいない演奏です。


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