1980〜1999年の演奏

エンリケ・バティス/メキシコ州立交響楽団(1996)
CD(自主製作盤 009614)

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  6:18/8:02/4:15/10:31
  (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)

  エンリケ・バティス指揮
    メキシコ州立交響楽団
    録音 1996年4月2〜14日  

 バティス/メキシコ州立の一連の自主製作盤の中のベートーヴェンです。チャイコフスキーやシューマンも面白いそうですが、このベートーヴェンもかなり走っていました。初めて「運命」と「田園」を聞いたときはあっけに取られているうちにいつの間にか終わっていました。第1楽章と第4楽章をリピートしても演奏時間が29分あまりというのは恐ろしく速い演奏です。3回以上は聴かないとこの演奏は中身が見えてきませんでした。
 交響曲第5番の第1楽章はとても速いテンポです。それでも動機のフェルマータはたっぷり伸ばしています。聴けば聴くほどよくオーケストラが付いていくなと驚きます。バティスの第5番はハ短調のシンフォニーに過ぎないということでしょう。
 第2楽章は速めの演奏ですがしっかりとまとめあげています。木管の四重奏もきれいでした。第3楽章は少し速めのテンポで流れるように演奏しています。ホルンのテーマは明るいです。
 第4楽章はやや速めですがほどよいテンポでしっかり聴かせる演奏です。提示部のリピートまでしています。第3楽章の回想は良い雰囲気です。全体としてはかなり速いテンポながらよくまとめた見事な演奏といえるでしょう。 


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