シューベルト/流れの上で

リチャード・キング(2011)
CD(Albany TROY1325)

1.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
2.モーツァルト/ホルン五重奏曲変ホ長調K407
3.ベートーヴェン/六重奏曲変ホ長調Op81b
4.シューベルト/流れの上でD.943

  リチャード・キング(ホルン)(1〜4)
  ジュンユン・オー(ソプラノ)(4)
  エイミー・リー(ヴァイオリン)(1&3)
  オーリ・シャハム(ピアノ)(1&4)
  佐藤 マリ(ヴァイオリン)(2&3)
  リン・ラムゼイ(ヴィオラ)(2&3)
  スタンレイ・コノプカ(ヴィオラ)(2)
  ジュリー・マイヤーズ・キング(チェロ)(2)
  ジェシー・マコーミック(ホルン)(3)
  ポール・クシウス(チェロ)(3)
  録音2011年5月29日〜6月1日   

 クリーヴランド管弦楽団の首席ホルン奏者リチャード・キング待望のブラームスとモーツァルトの五重奏、そしてベートーヴェンの六重奏に加えて名曲シューベルトの「流れの上で」が収録されています。
 ブラームスのトリオは大変あたたかい響きのホルンで、アメリカのホルン奏者というよりもイギリスのホルン奏者のように伸びやかなホルンの響きです。軽いビヴラートもきれいです。第2楽章では力みのない弾むような演奏でピアノのきらめきも素晴らしい。録音の良さは抜群でしょう。アダージョの優雅な響きとフィナーレの歯切れよい演奏が素晴らしい。
 モーツァルトの五重奏曲はきれいなレガート演奏で、時には余韻を残すホルンが印象的です。アンダンテの美しい演奏、第3楽章の楽しそうなロンドは後半にカデンツァを入れていますが、この演奏が驚きで最高音まで上昇するという離れ業をみせます。
 ベートーヴェンの六重奏曲変ホ長調ではクリーヴランドのセカンドホルン奏者マコーミックとの共演できれいなアンサンブルです。第3楽章の速いテンポではセカンドホルンのフレーズのうまさが光ります。
 シューベルトの「流れの上で」はピアノの響きのよさが素晴らしい。勿論リチャード・キングのなめらかなホルンも素晴らしい演奏です。師匠マイロン・ブルームの録音もありますが、この演奏も良い響きです。ソプラノのジュンユン・オーは美しい歌唱でホルンとの調和のとれた響きになっています。


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