2000年代の演奏

エリアフ・インバル/東京都交響楽団(2010)
CD(EXTON  OVCL-00430)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
       (第1楽章リピート:原典版)
2.   〃   /交響曲第7番イ長調Op92

  エリアフ・インバル指揮
     東京都交響楽団
  録音 2010年3月14日(1)
      2009年11月29日(2)
     東京芸術劇場ライヴ

 エリアフ・インバルと東京都交響楽団によるベートーヴェン・チクルスの1枚です。
 交響曲第5番「運命」は20世紀のベートーヴェンを思わせるもので、聴衆をひきつける魅力があります。第1楽章冒頭の長いフェルマータがその特徴です。最近のベーレンライター版に飽きたファンにはたまらない演奏です。第2楽章のゆったりとした演奏はこの楽章の美しさを引き出すものです。第3楽章序奏では低弦の強奏、ホルンの主題の明るさフーガの流麗な演奏と申し分ありません。フィナーレの分厚い響きはこの曲の醍醐味でもあります。コーダの和音のあとに演奏されるホルンの美しさとピッコロの上昇音、そしてたっぷりと伸ばした最後のフェルマータは感動です。
 交響曲第7番は第1楽章序奏の重厚な響きとホルンのやわらかな響きがたまりません。弦楽の刻みのあざやかなこと管楽器の美しさがあります。提示部の全合奏におけるホルンの活躍、展開部の弦楽の刻みが凄い。第2楽章:アレグレットの弦楽の響きのよさ、対旋律の美しさがあります。スケルツォの軽快な演奏。フィナーレではホルンの活躍が聞き所です。2曲ともに圧倒的な名演です。聴衆の興奮がわかります。


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