2000年代の演奏

ヤン・ウィレム・デ・フリエンド/ネザーランド(オランダ)交響楽団(2010)
CD(CHALLENGE CC72364)

1.ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調Op21
2.   〃    /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
       (第1楽章&第4楽章リピート:原典版)

  ヤン・ウィレム・デ・フリエンド指揮
   ネザーランド(オランダ)交響楽団
   録音 2009年6月29&30日(1)
       2010年2月8〜10日(2)

 オランダの指揮者フリエンドによるベートーヴェンです。フリエンドはベートーヴェンの交響曲全集を完成しています。 
 交響曲第1番は緻密な演奏で、第1楽章の冒頭から統率されたオーケストラの完璧なアンサンブルが聞かれます。提示部の明るい響きと喜びに満ちた主題が大変きれいです。第2楽章のやや速いテンポのアンダンテ・カンタービレがさわやかです。第3楽章の演奏は弦楽と管楽器の対話がきれいです。フィナーレの序奏がどっしりとした響きです。主部ではヴァイオリンのレガートがきれいです。
 交響曲第5番「運命」は速めのテンポの第1楽章は冒頭の古楽器奏法による演奏で短めのフェルマータです。ホルンのファンファーレは良い響きです。展開部では弦楽と管の対話がきれいです。オーボエのカデンツァから再現部の淀みない演奏はフェルマータも短く、そしてティンパニの張りのある響きがよく響きます。コーダのフェルマータも短くあっというまに終結します。第2楽章は速めのテンポでどんどん進みます。管楽器の強奏もきれいです。第1変奏の流麗な演奏もきれいです。木管四重奏は大変きれいに響いています。
 第3楽章は序奏で絶妙なリタルダンドとフェルマータです。ホルンの主題は素晴らしい響きです。フーガは速いテンポで弦楽の見事なアンサンブルが素晴らしい。フィナーレは速めのテンポで進みます。録音がクリアなので濁ることもなく厚みのある演奏です。提示部のリピートがあります。展開部ではやわらかい響きのフルートが印象に残ります。第3楽章の回想は大変静かでオーボエのソロがきれいです。再現部ではピッコロがよく響いています。勢いのある演奏で緊張感があります。コーダの和音の連続、そしてホルンの主題はきれいな響きです。プレストからの演奏は圧倒的です。息をもつかせぬまさに名演です。


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