モーツァルト/ホルン協奏曲

3番/千葉 馨(1992)
CD(VOXEE VXD−92229)

モーツァルト協奏曲全曲連続演奏会第12回公演
1.ピアノ協奏曲第12番イ長調K414
2.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
3.ピアノ協奏曲第18番変ロ長調K456

  加藤美緒子(ピアノ)(1&3)
  千葉 馨 (ホルン)(2)
  清田 健一指揮
  東京ムジカクライス室内管弦楽団
  録音 1992年12月4日ライヴ
    愛知県芸術劇場コンサートホール

 このアルバムはモーツァルト没後200年を記念してモーツァルト演奏家協会が協奏曲全曲演奏会を行った記録の中の1枚です。
 ピアノ協奏曲第12番と18番を演奏する加藤美緒子は1970年の毎日コンクールのピアノ部門で優勝しています。美しく温かい響きのモーツァルトが聞かれます。
 ホルン協奏曲第3番は千葉先生64歳のときの演奏です。大変きれいなホルンでホールのよさもあるのでしょうか、やわらかい響きで伸びやかな音色は時にはデニス・ブレインを彷彿させる理想的なホルンです。いままでたくさん演奏を聴きましたが、千葉先生の協奏曲では代表的な演奏といっても良いでしょう。強弱のうまさ、ホルンが体の一部となったような演奏は絶品です。カデンツァがまた素晴らしい。七色の音色を出す千葉先生の究極のホルンがこの演奏といっても過言ではないでしょう。実に気持ちよさそうに吹いています。カデンツァの最後はまるでブレインが吹いているようでした。第2楽章:ロマンスは流麗そのものです。モーツァルトの特長ともいえる天国的な響きがあります。第2主題の見事なことは涙が出そうです。あらゆるこの曲の演奏でもここまで美しい演奏はほとんどないでしょう。第3楽章:ロンドは速すぎず丁寧な演奏です。ここでは強弱をつけてメリハリのある演奏になっています。狩のロンドらしい素晴らしい演奏になっています。このアルバムは限定版で入手が難しいですが日本の録音史に残る名演といえます。絶賛したいと思います。


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